大河ドラマ『軍師 官兵衛』も関西が舞台だし、本屋大賞に大阪が舞台の『とっぴんぱらりの風太郎』(文藝春秋)がノミネートされたこともあって、CREA WEB的にも応援せねば(CREA WEBは文藝春秋のWebメディアです)、ということで大阪に行ってみた。「週末の旅は本屋さん」も連載10回目、旅がテーマのこの連載もいつも“ご近所を自転車”では華がないし、ちょっと足を延ばしてみたい、というのは半分、残りの半分は、サクラ書店平塚ラスカ店で、大阪の書店員さんが作っているというフリーペーパー『ぶんこでいず』を拝見して、フリペ作者の方にお目にかかりたくなったのだ。
大阪まで行ったのだからと、大阪城へも行ってみた。豊臣時代の城は跡形もないが、大坂夏の陣以降に再建された石垣や門はその偉容を現代に伝えている。残念ながら天守閣は、昭和以降の鉄筋コンクリート製で、取材時(2月上旬)には、イルミネーションとプロジェクションマッピングのイベントで華やかに空に浮かび上がっていた。
大阪市街から京阪線で20分ほどの住宅密集地、寝屋川市駅前にTSUTAYA寝屋川駅前店はある。駅直結のCD/DVD店とは道を挟んで別棟で、1階が書籍と雑誌、2階がコミックスとライトノベルという一見普通の本屋さんだ。大きな店舗ではないが、コミックスやライトノベルがものすごく売れる店と、文庫・文芸担当の中村真理子さんはいう。西尾維新さんの新刊などは、旗艦店のひとつであるTSUTAYA渋谷店とチェーン1位の売上を争うほど。駅の乗降客数や店舗規模からすると、巨象とネズミ(失礼)だが、ラノベスタッフの熱意が売り場を作り、売り場がお客様を呼ぶ、そして売上がまた売り場に元気を与えるという好循環がその強さの秘密なのだろう。
スタッフがそれぞれ好きな作品を名札に付けて応援しているのも、あ、この書店員さん、この作品が好きなんだ、と、好感が持てる。
2014.02.13(木)