週末の旅は本屋さん、神奈川シリーズ。神奈川といえば横浜、横浜といえば港、みなとみらい地区に来てみた。桜木町駅を出ると、好天に恵まれた連休だったこともあって、どこかウキウキした雰囲気の家族連れ、カップルが多い。観覧車や帆船のマストを望む遊歩道、ホテルやショッピングセンター、美術館への玄関口。ハレの場所だ。

みなとみらい地区。抜けるような青空に行き交う人も足取りは軽い

 桜木町駅を海側に出てすぐ左手の商業施設の5階に紀伊國屋書店横浜みなとみらい店はある。2010年開店時からのスタッフ、安田有希さんによると、桜木町の内陸側、野毛地区が古くからの住民の根付いた商業地区、横浜駅に近い北の方はマンションが多く建ち並ぶ新住民の居住地域、横浜みなとみらい店の周辺は、まだまだ休日などにお出かけで遊びに来るところのようだ。地元の方よりもいちげんさん、ビジネスマンよりも家族連れ、オンよりもオフの店だ。

紀伊國屋書店横浜みなとみらい店。木目調の造作が印象的な正面

 天井が高く開放的な店内、児童書や芸術書、洋書が充実し、ハレの書店にふさわしく、楽しい、発見のある店内。文芸と芸術書を担当する安田さんだが、分類にとらわれず、絵本でも大人にも読んでほしいものは、芸術書の棚にオススメコメントをつけて陳列すると、手にとってもらえるのだという。最近復刊したロングセラー絵本『ノーム』(グラフィック社)は、ちょっと値段は張るものの、そうして仕掛けて反響のあった一冊。

 文芸書も文庫も、必要な本というよりも、この本欲しいなと思って思わず手に取り、つい買ってしまうような、そんな売り場作りだ。非日常のお出かけの店としては成功しているのだと思うが、安田さんは、もっと日常の本屋さんとして使ってほしい、通勤で内陸側に帰って行く人たちに、ちょっと足を伸ばしてもらえる地元の本屋さんになりたいのだとも言う。

安田さんが担当する芸術書の売り場。店内を歩く合間にも、さっと手が出て棚を整理する
大人にもオススメの絵本、森のこびとノームの観察記録

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2014.01.25(土)