「週末の旅は本屋さん」神奈川シリーズも3店舗目、東京神奈川都県境を旅してみた。
羽田空港もほど近い河口付近から、神奈川県側、東京都側両岸の堤防上(一部河川敷)をほぼ50km、東京羽村市まで、ほとんど信号もなく走れる道路は貴重。自転車専用道路ではないため、ジョギングの人や犬の散歩の人、河川敷でフットサルや野球を楽しむ人もいるので、安全に注意して走ろう。さえぎるものがないので横風にふらつかないように気をつけながらも、冬の澄んだ空気を楽しむ。丹沢、奥多摩、場所によっては富士山も見える。同じ距離を走っても、車道の隅を自動車に遠慮しながら走るのとは気分が違う。
今日の目的地は、その中流、河口から25km付近、多摩川に沿って走る南武線の駅でいうと中野島駅前にあるブックポート203中野島店だ。
このお店を取材したかったのは、自転車で走りたかったからではない。ブックポート203は、神奈川県内に数店舗を展開する中堅チェーン店だが、個性的で魅力的な店舗が多く、鶴見店(横浜市鶴見区)、緑園店(横浜市泉区)、栗平店(川崎市麻生区)、大和店(大和市)など、それぞれ決して大きな店ではないけれど、地域に合わせた魅力的な品揃え、わかりやすい案内表示、迫力の店頭広告、楽しさの演出、本屋好きとして見逃せない大好きなお店だ。中野島店は初めてだったのだが、女性店長さんがいらっしゃるということで取材させていただいた。
ブックポート203中野島店は、駅近くにある小さなビルの1階の小さな本屋さんだ。いわゆる町の本屋さんという感じで、店長の渡辺美由希さんによると、近くの小中学校の学校帰りの子供たち、沿線の学校に通う高校生、ひとり暮らしの大学生や会社員といった若いお客様が多いのが特徴とのこと。
品揃えも、雑誌、文庫、コミックスが中心で、いかにも町の本屋さん。映画化で人気の文庫や話題の山岳ミステリーに混じって、正面入り口のオススメ棚に『かいけつゾロリ』シリーズや『なめこ図鑑』が並ぶのもお店の特徴かもしれない。文芸書については、ブックポート203チェーンの力を活かして、栗平店店長のオススメ警察小説『教場』や緑園店店長のオススメ新刊『骨を彩る』を並べている。ハードカバーの文芸書はチェーン店の知恵を借りるけれど、「コミックスなら負けません」と、渡辺さん。
2014.01.11(土)