あの名店の系譜を引くフレンチで“フレンチパラドックス”を実践!?
フランス料理 Sakura(サクラ)
メニュー名:ランチコース「プリフィクス A」
先日、大阪に行ってきました。仕事だったので、1泊2日の出張中に自分の好きなものを食べられるチャンスは1食限り。日曜日のランチを1人で楽しんで不自然ではなく、この連載テーマに合うレストランとなると、「ホテルニューオータニ 大阪」、最上階のフランス料理「Sakura」以外に思いつくところはありません!
当コラムのテーマは“キレイになれるレストラン”ですが、そもそもフランス料理は“キレイになれる”料理です。フランス料理=カロリーが高いという思い込みがまだ根強いようですけれど、フランス料理のコースには野菜や魚、肉が豊富に使われているためタンパク質やビタミンをバランスよく摂ることができますし、昔と違ってバターやクリームの量も控えめ(使わない店もあるぐらい)なので、さほどカロリーを気にすることはありません。フランス料理を毎日たっぷり食べているフランス人女性がスラリとスレンダーなことを表現する“フレンチパラドックス”という言葉がありますが(赤ワインの心筋梗塞予防効果についての意味もあります)、私などはパラドックスではないんじゃないか!? と思っています。
で、大阪でフランス料理といえば「Sakura」。私がこのレストランを知ったのは約10年前、東京の「トゥールダルジャン」で活躍したドミニク・コルビさんが2代前の料理長に就任されたことがきっかけでした。
「トゥールダルジャン」は、私の最も好きなレストランのひとつ。昔、食通の某氏が「トゥールダルジャンが好き、と言うと、ロールスロイスが好き、と言ってしまうようで恥ずかしい」とおっしゃったことがありますが、私はそこまでの奥ゆかしさを持ち合わせないので、ハッキリ好きと言ってしまいます(笑)。「トゥールダルジャン」はお料理、サービス、雰囲気のどれをとっても、ある種突き抜けた“別世界感”があって素晴らしく、ディズニーランド級に毎回心が躍ってしまうのです。シャラン産の幼鴨のローストが看板料理ですが、コルビさんが料理長になった頃には「ピラミッド・キャビア」なる贅沢過ぎる前菜がメニューに現れ、そのゴージャスさにうっとりしたものでした。
さて、「Sakura」の料理長は、コルビさんが退任した後、「トゥールダルジャン」出身の若き俊才、小出シェフが6代目料理長を務め、今年の夏からはコルビシェフ時代にスーシェフとして研鑽を積んだ永井義昌さんが7代目料理長として活躍されています。
ランチは「前菜、メイン、デザート」をスピーディに楽しめる3500円のコースからありますが、今回は前菜、スープ、メイン、デザートの5000円のプリフィクスコースをいただきました。
<次のページ> みずみずしい野菜と美しいデザートで季節を満喫する幸せ
2013.11.18(月)