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韓国BLドラマではアイドルや元アイドルが活躍することも

――韓国ドラマを観る時は好きな俳優さんの過去作を遡ることが多いんですけど、BLドラマでは難しいですか?

シン 韓国BLドラマは新人起用が多いから、好きな俳優さんでドラマを探すのは難しいかもしれないですね。

――実は、私が韓国BLドラマに興味を持ったのって、ZEROBASEONE(ゼロベースワン)のキム・ジウンさんが韓国BLドラマ『プンドク荘304号室の事情』(2022年)に出演していたのをXで知ったからなんです。

シン 話題になりましたよね。彼はヴァンパイア(吸血鬼)の主人公が人間に惹かれていく『君の唇を噛みたい』(2022年)でユン・ソビンさんと共演した後に、同じカップルで『プンドク荘304号室の事情』にも出演しました。

 この作品はマンションオーナーを務める主人公のところに、ルームメイトとして職場の上司がやってくるというストーリーで、第1話でキム・ジウンさんが風呂上がりに全裸で滑って倒れているのを、帰宅したユン・ソビンさんが見つけるというコミカルな展開の作品です。

 彼らのように同じカップルで別のBL作品に出演するのって、韓国では初めてだったんです。韓国は新人がキャスティングされて、売れたらもっと大きな作品への出演を目指すのが一般的なので、タイのようにヒットした作品の俳優カップルが何作品にもキャスティングされるケースってあまりないんです。

 それだけキム・ジウンさんとユン・ソビンさんのケミストリーが人気だったし、制作側も良いと思ったんでしょうね。

――キム・ジウンさんって、BLドラマファンの間では有名だったんですね。

シン 彼がオーディション番組『BOYS PLANET(ボーイズプラネット)』に出演した時、BLドラマファンが「応援しなくちゃ、彼をアイドルに」とXで投票を呼びかけていたんです。英語で呼びかけていた人もいたので、海外ファンもいたんだと思います。

――私が目にしたのもその投稿かも。

シン 相手役のユン・ソビンさんも元JYP練習生で、オーディション番組『PRODUCE X 101』に出演した経験があります。『プンドク荘304号室の事情』がヒットしてからはタイでファンミが開催されるほど人気が出て、ソロアーティストとしてデビューを果たしました。

 ゼベワンでデビューを果たしたキム・ジウンさんとアーティスト同士で同じ音楽番組に出演したこともあるんですよ。ファンの間で話題になっていましたね。

2023.12.29(金)
文=ゆきどっぐ
撮影=佐藤 亘