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無料の第1話を視聴して、自分の好みを理解して

――韓国BLドラマを観る時に、いい作品を見分けるコツはありますか?

シン いい作品をどう定義するかは、その人の好みによって異なるので難しいですね。まずは自分の好みの傾向を理解するのが大事だと思います。例えばBLドラマを観る時にビジュアルを入り口にするなら、「この俳優さんは好みじゃない」ってこともありますよね。それに性的描写はソフトか過激か。ジャンルは学園ものか、ビジネスものか。いくつか作品を観ていると自分の好きな傾向がわかってきます。

 韓国BLドラマは第1話無料の作品が多いのでまずは試聴して、自分の好みがわかったら、監督や制作会社の好みも把握していけばいいと思います。

――シンさんは、どのように作品を選ぶんですか?

シン 私は、自分が楽しんだ作品を手掛けた監督のほかの作品が気になりますね。『君の視線が止まる先に』(2020年)と『To My Star』(2021年)『To My Star2:僕たちの言えなかった話 』(2022年) 、『Blueming〜君に染まる 』(2022年)を撮ったファン・ダスル監督の作品や、『セマンティックエラー』のキム・スジョン監督の作品、『僕らの恋愛シミュレーション』のイム・ヒョンヒ監督の作品は欠かさず観たいです。

 ファン・ダスル監督は今まで手掛けた韓国BLドラマが全てメガヒットしていて、ファンからは「神ダスル」と言われているほど大人気。初恋のように相手の行動一つ一つに意味を与えてときめく感情を美しく、かつ緻密に表現しています。キム・スジョン監督もそこの演出がうまくて、さらに先が読めない意外性のある表現が好きです。イム・ヒョンヒ監督は視聴者が観たいものを引き出す演出が素晴らしいと思います。もちろんBLドラマのみならずTVドラマや映画の新作にも期待しています。

 あとは、韓国BLドラマって韓国より海外の需要が高いから、海外ファンの間でバズってる作品は観るようにしています。SNSのタイムラインでファンに推されている作品はやっぱり面白いんですよ。

2023.12.29(金)
文=ゆきどっぐ
撮影=佐藤 亘