この記事の連載

「火山と氷河の絶景は、自分の目で見ないと始まらない」

 フリーアナウンサーの大坪千夏さんが、知人にすすめられて以来恋焦がれた国、アイスランド。

 18年間の海外暮らしでは、日本以上に我慢を強いられたコロナ禍を経て、日本に戻ることを決心した。

 だからこそ、今は「圧倒的な自然に身を委ねたい」と、夫婦ふたりで旅に出る。

 開放感あふれる旅のストーリーを、絶景の写真とともにシリーズでお届けします。

 第5回は、アイスランドを一周するドライブ旅の心得をご紹介します。


島を一周する「リングロード」を走る6泊7日

 アイスランドには鉄道も地下鉄もなく、完全なる車社会。島を一周する国道1号線1,339キロをリングロードと呼ぶ。今回の旅はこのリングロードを自ら回ることが目的であった。

 アイスランド旅のスタイルはいく通りもあって、キャンプをしたり、キッチン付きのゲストハウスを拠点に何日か過ごしながら移動したり。白夜の時期は昼間休んで、人が少ない夜に人気のスポットを回ることもできる。

 我々の日程は6泊7日。ツアー会社の日程だと8泊9日が最短だから、結構ハードな旅になる。

 結局、空港から西へと向かう島を反時計回りで島を巡ることにした。見どころ多い南を厚く、北部はガンガン進みゴールは首都のレイキャビク。

 ルートを決めたら宿探し。6泊どこに泊まるのか。宿事情を少々ご紹介。

 アイスランドはとにかくなんでも高い。スイスに住んでいた我々でも物価が高い国だと感じる。もちろん宿泊も。手頃な宿のほとんどはバスルームが共有。若くない我々にとっては選択肢から外れていく。

 部屋にシャワーが付いているB&Bで4万から5万円。しかも3カ月前の時点ではその街に空室がもう数部屋しかなく、迷っている場合ではなかった。

地元レンタカーはポータブルWi-Fi付き!

 レンタカー。リサーチを重ねると大手よりも地元のレンタカー会社の方がサービスも良さそうだった。雪道はないとはいえ、ハイランドを運転することもあるから4WDを予約。ポータブルWi-Fiも付いていて車を離れても持ち歩けるのはありがたかった。空港で受け取り、返却はレイキャビクでも割り増し料金はかからない。

 肝心のドライブルール。右側通行の左ハンドル。高速道路はなく、時速30〜90キロの制限速度が走っている間目まぐるしく変わる。誰もいない一本道をつい飛ばしたくなるけれど、監視カメラがあちこちに潜んでいるので要注意。

 ガソリンスタンドはめったにないので常に把握しておくことが必要だ。先に金額を払ってその分を給油できるセルフサービス。満タンがわかりにくい。

 飲酒運転も厳しい。ヨーロッパは緩い国もあるけれど、アイスランドはビール1杯もご法度です。

2023.09.06(水)
文・撮影=大坪千夏