この記事の連載
「火山と氷河の絶景は、自分の目で見ないと始まらない」
フリーアナウンサーの大坪千夏さんが、知人にすすめられて以来恋焦がれた国、アイスランド。
18年間の海外暮らしでは、日本以上に我慢を強いられたコロナ禍を経て、日本に戻ることを決心した。
だからこそ、今は「圧倒的な自然に身を委ねたい」と、夫婦ふたりで旅に出る。
開放感あふれる旅のストーリーを、絶景の写真とともにシリーズでお届けします。
第1回は、火山が生んだ奇跡の場所「ブルーラグーン」へ。
旅の始まりはブルーラグーンから
グリーンランドの東、北大西洋に浮かぶアイスランド共和国。面積は北海道をひとまわり大きくしたほどの島である。人口は37万人余り。ちなみに羊の数は80万頭らしい。シェンゲン協定は結んでいるけれどEUには加盟していない。皆が知るところの有名人は歌手のビョーク。
パリのシャルル・ド・ゴール空港からケプラヴィーク空港まで3時間半。機内はほぼ満席でやたら寒い。もうここからアイスランド気温だね。
パリは30度超えというのに乗客は軽いダウンジャケットやトレッキングシューズと万全の出で立ち。手荷物も大きい観光客ばかりだ。
定刻より少し遅れて16時にケプラヴィーク空港着。国際空港とはいえこぢんまりしていて荷物はすぐにピックアップできた。アイスランドはどこでもクレジットカードが使えるので両替は必要ないと聞いたが一応少し現地の通貨クローナ(ISK)に換金してみる。
予約していたレンタカーと対面。希望通り4WDのオートマ車を相棒に雨天のなか出発し、アイスランドで一番有名な観光地「ブルーラグーン」に向かう。面積は約5,000平米(競泳用50メートルプール4個分だとか)で、露天温泉としては世界最大と言われている。
とはいえ自然に湧出する温泉ではなく、隣接する地熱発電所が汲み上げた地下熱水の排水を再利用している温泉施設。汲み上げたお湯に含まれるシリカが溶岩に結晶化することで水を通さなくなり、自然にお湯が溜まってできたという。
2023.08.06(日)
文・撮影=大坪千夏