この記事の連載
アジアのレストランランキングに、バンコクの評判店が常連として顔を出すようになって久しい。今や感度の高い世界のグルメは、こぞってこの街を目指す。いざ、風味絶佳の桃源郷へ。
王道のタイ料理の他、フレンチやインド料理などがバンコクで楽しめる、至福のレストラン6軒を6回にわたりご紹介。
テーブルに流れるのは哲学的な時間
◆Gaa(ガー)
![インドの食文化を代表するスナックを、フィンガーフードとして3種まとめて提供。右から、ボンベイサンドイッチ、チリトースト、パニヤラム(ライスケーキ)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/0/1280wm/img_609531dd0a48395576db9d8875fc493b204436.jpg)
インド料理の店だとのみ聞かされてテーブルに着いたなら、呆気に取られることだろう。供されるメニューは、見慣れたカレーやタンドリーチキンではない。
![蒸し焼きにしたドリアンは、チリソースやピクルスとともに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/7/1280wm/img_a7911e3a810118155b9b3ec7b58c33a2226807.jpg)
一皿一皿が、料理の域を超え、コンテンポラリーアートの境地に達している。食を通して、哲学的な時間が流れる。
![コースの最初に登場するのは、ザクロ、イチゴ、ヨーグルト、レモンなどをペーストにして固めた“チャート”。甘み、酸味、辛み、旨みなど、様々な味覚が一つに融合している。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/3/1280wm/img_33440cf89dd083761a91ee3b94f4738c210630.jpg)
オーナーシェフは、インド人女性のガリマ・アローラ氏。世界的な評判店の数々で要職に就き、時代を画してきた。
彼女は、インド料理の伝統に敬意を捧げながら、水際立つ奇想を繰り広げ、誰も目にしたことのない美食を創造する。
![こちらがデザート。手前にあるたこ焼きのような形の甘いパニヤラムを、自家製バター、ココナッツとキャラメルのチャツネなど、6種類のスプレッドにつけて味わう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/1280wm/img_b9074b7c01c3146892b106d1b460e20a447817.jpg)
コースに登場する13品は、いずれもこちらに問いを投げかけるかのよう。その完成までに、どれだけのアイデアが磨かれ、どれだけのテクニックが用いられたのかと想像しながら食せば、味わいもより深まるに違いない。
![カーブした天井が印象的。シンプルなインテリアに気持ちが落ち着く。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/3/1280wm/img_b3b39a9d343f1b20c196e76b485d360599383.jpg)
築60年というタイのトラディショナルな民家を移築した建物も趣十分。「ガー」でしか享受できない体験を、ぜひ。
![レストランを囲むヤシの木々は、ここが大都市の住宅地であることを忘れさせる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/1280wm/img_03721bbb8aa6d4d547b25408b9404be0508289.jpg)
Gaa(ガー)
所在地 46/1 Sukhumvit 53, Klongtan Nuea, Wattana, Bangkok
電話番号 063 987 4747
営業時間 17:30~22:30(土・日曜ランチ 12:00~15:00)
定休日 無休
●おまかせの13品コース 4,700タイバーツ
https://gaabkk.com/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2023.07.01(土)
文=下井草 秀
撮影=佐藤 亘
CREA Traveller 2023 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。