この記事の連載
アジアのレストランランキングに、バンコクの評判店が常連として顔を出すようになって久しい。今や感度の高い世界のグルメは、こぞってこの街を目指す。いざ、風味絶佳の桃源郷へ。
王道のタイ料理の他、フレンチやインド料理などがバンコクで楽しめる、至福のレストラン6軒を6回にわたりご紹介。
馴染み深い味わいを新たなスタイルで再解釈
◆Le Du(ル・ドゥ)

今年度の「アジアのベスト50レストラン」で第1位を獲得した店である。
オーナーシェフである通称トンさんは、ユニークな経歴の持ち主だ。タイの東大と言われるチュラロンコン大学を卒業した後、ニューヨークの名門料理学校に留学。さらに現地の複数の名店で腕を磨いて故国へと凱旋し、2013年にこの店をオープンした。

こちらのメニューは、タイの郷土料理や家庭料理の味わいを、予想外の洗練されたスタイルに生まれ変わらせていることが特徴。驚きと同時に、脳内にノスタルジーを喚起させるのだ。

例えば、看板メニューの“川エビのグリル”は、タイの大衆的な献立である海老味噌チャーハンを、極上の素材を用いて再解釈したもの。実に知的な企みだ。

店名は、タイ語で「季節」を意味する。確かに、どの料理を目にしても、この国ならではの四季折々の美しい風景が皿の上に再現されたかのよう。

Le Du(ル・ドゥ)
所在地 399/3 Silom Soi 7, Bangrak, Bangkok
電話番号 092 919 9969
営業時間 18:00~22:00
定休日 日曜
●4品コース 3,500タイバーツ、6品コース 4,000タイバーツ
https://ledubkk.com/

Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2023.06.29(木)
文=下井草 秀
撮影=佐藤 亘
CREA Traveller 2023 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。