この記事の連載
「火山と氷河の絶景は、自分の目で見ないと始まらない」
フリーアナウンサーの大坪千夏さんが、知人にすすめられて以来恋焦がれた国、アイスランド。
18年間の海外暮らしでは、日本以上に我慢を強いられたコロナ禍を経て、日本に戻ることを決心した。
だからこそ、今は「圧倒的な自然に身を委ねたい」と、夫婦ふたりで旅に出る。
開放感あふれる旅のストーリーを、絶景の写真とともにシリーズでお届けします。
第3回は、アイスランドならでは、ブルーの世界に浸る氷河の絶景をどうぞ。
氷河と氷とダイヤモンドビーチ
宿泊先のハーリのホテルに向かって海岸線に沿って車を走らせていると、声を上げたのは夫と同時だった。
「ちょっと! 今浮かんでいたのって!?」
そのときは通り過ぎてしまったが、突如として現れた氷の塊の数々。それは次の朝にも形を変えて出迎えてくれた。
おおおっでかい。見よ、どこまでも氷河。
ヴァトナヨークトル氷河。面積は7,700キロ平方メートル。ヨーロッパで北極圏を除けば最大の氷河である。2019年に世界遺産に登録された国立公園。
この氷河を見るのも心待ちにしていたことの一つ。
今回は船で巡るツアーに申し込んだ。氷河ツアーはいくつもの会社がやっているがどれも人気が高く、事前に予約が必要だ。飛び込みで来ていた人は断られていた。他にもスノーモービルで氷河を走るツアーや冬は洞窟探検などもあるらしい。
予約の14時まで時間があるので軽めに腹ごしらえ。
防水スーツにライフジャケットで万全の対策。ちょっと大袈裟なくらいだけれど、落ちたら大変、氷温だものね。
船着場には巨大なバスで向かう。
水陸両用の船のツアーもあるけれど少人数のモーターボートツアーの方が氷河に近寄れる。世界中から来たお客さんが同乗者。乗り込むと結構狭いが平均になるようお互いの体格を見ながら座る。こういう時は言葉はいらないね。
買ったばかりのスマホを落とさないようにと夫に何度も注意される。粗忽者の私は信用がない。
2023.08.26(土)
文・撮影=大坪千夏