この記事の連載
「火山と氷河の絶景は、自分の目で見ないと始まらない」
フリーアナウンサーの大坪千夏さんが、知人にすすめられて以来恋焦がれた国、アイスランド。
18年間の海外暮らしでは、日本以上に我慢を強いられたコロナ禍を経て、日本に戻ることを決心した。
だからこそ、今は「圧倒的な自然に身を委ねたい」と、夫婦ふたりで旅に出る。
開放感あふれる旅のストーリーを、絶景の写真とともにシリーズでお届けします。
第2回は、アイスランドの圧倒的な自然を体感できる三大“ゴールデンサークル”を巡る旅。
ゴールデンサークルで感じる地球の始まりと鼓動
ゲストハウスで目を覚ますと、どんよりと雲厚くあいにくの雨。昨晩は見る余裕がなかったけれど窓から見える景色は草原が続いている。予報では午後からは回復するらしい。
アイスランドは水道水がとてつもなく美味しく飲めて、水を買う必要がない。スイスもだが水が美味しい国は信用がおける気がする。しかもここはシャワーから温泉が!
丁寧に作られた朝食をいただきながら、ゲストハウスのオーナーにこの辺りの話を聞く。
「アイスランドにはもともと土がないの。溶岩が冷えてそこに苔が生え、それが土になるまで数百年もかかる。植物が生えるというのはこの国では本当に大変なこと。くれぐれも道になっているところ以外は歩かないでね。」と忠告を受ける。
急増した観光客は嬉しいものの、この土地の過酷な中で苔が、そして草木が地を這うように育っていく様をちゃんと理解してもらわないと絶景は削り取られてしまう。
2023.08.23(水)
文・撮影=大坪千夏