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早朝の樹海を歩き、瞑想でマインドフルなひとときを

 2日目は、いよいよ樹海へ。専用車で樹海まで行き、まずは溶岩洞穴のひとつ「竜宮洞穴」を目指します。私たちがここを訪れたのは、酷暑真っ只中の7月下旬。それでも早朝5時過ぎの樹海は清涼で、鳥や虫の鳴き声や木々のざわめき、濃密な緑の匂いに満ちていました。

 西湖のほとりにある「剗海(せのうみ)神社」の鳥居をくぐり、森へ分け入って歩くこと約10分。「竜宮洞穴」がぽっかりと口を開けていました。その入口にある小さな祠が「剗海神社」で、かつては雨乞いの儀式が行われた場所でもあったとか。

 洞穴の奥行きは60メートルほどあるそうですが、崩落の危険があるため、祠より奥は立ち入りが禁止されています。まずは参拝をと穴に入ると、途中から気温がグッと下がり、神聖な空気に包まれます。

 竜宮洞穴では、一旦素足になり、溶岩台地に直接触れながら瞑想を行います。深い呼吸に集中し、自然の営みに身を委ねる気持ちよさは、都会でする瞑想とはひと味違った感覚。樹海という聖なる地が持つパワーを感じるひとときです。

 瞑想が終わったら、ふたたび樹海の中をウォーキング。呼吸と体幹を意識しながら、足裏でしっかりと地面を掴み、早足で歩いて体温を上げ、体の機能を目覚めさせます。慣れないうちは下ばかり見て歩いていたのが、体がこなれてくるうちに視界が広がり、すいすいと歩けるようになります。

 この日のゴール地点は、西湖野鳥の森公園。クールダウンのストレッチで体の緊張を緩め、帰りは車で「星のや富士」まで。思い切り体を動かしながらも、疲れすぎないようサポートしてくれるところが、「樹海リトリート」の魅力です。キャビンでは、お楽しみのブランチ「鹿肉のグリルプレートと季節野菜のサラダ」が待っています。

 施設ごとの独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。ゲストはいつの間にか日々のときの流れから解き放たれ、その地ならではの風土や歴史、文化が息づく特別な滞在に浸ることができます。

 「星のや富士」の魅力を伝える後篇では、グランピングならではの朝食や夕食をメインに、常に屋外で快適に過ごせる環境を活かした滞在スタイル、気軽に参加できるアクティビティをご紹介します。

星のや富士

所在地 山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
電話番号 050-3134-8091(星のや総合予約)
宿泊料金
◆2名1室利用時1室 101,000円~(サ込、食事別)
客室数 40室
チェックイン15:00/チェックアウト12:00
アクセス 河口湖ICから車で約20分
https://hoshinoya.com/fuji/
●Wi-Fiあり

次の話を読む「星のや富士」【後篇】 野性味あふれるジビエを味わい 森に憩うラグジュアリーリゾート

Column

ディスカバリーのその先へ 星野リゾートで体験する、新しいニッポンの魅力

日本全国、その土地土地の魅力合わせた宿泊提案をする星野リゾート。その星野リゾートでの宿泊体験を通して、日本の魅力を再発見してみませんか? 

2023.08.19(土)
文=伊藤由起
撮影=橋本 篤