この記事の連載

 筋力ゼロでもできる超低ハードルのトレーニング漫画(以下、ゆるトレ漫画)、『筋肉ゼロでもできるズボラゆるトレ』や、『オトナのがんばらない健康生活』が人気の漫画家・イラストレーターのいしかわひろこさん。

 いしかわさんがイラストレーターとして独立した時期は、お子さんが幼稚園へ入園したのと同じ頃だったそう。子育てと仕事の両立やパートナーとの関わり方などを伺います。

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じゃあ自分はなにがやりたいか

――漫画家・イラストレーターになるまでの経緯を教えてください。

いしかわ 私は美術大学を卒業後、印刷やカメラ関係の会社に勤めていました。結婚とともに退職し、専業主婦へ。子どもが生まれて、体への価値観が変化した時から、「体重が増えても自分のアイデンティティは変わらないとわかった。じゃあ自分はなにがやりたいか」を考え始めたんです。そうしたら出てきたのが、「絵を描きたい」という気持ちでした。

 当時は息子が2歳だったので、子育てと両立しながらまずは絵の練習を始めました。学生の頃よりも描けなくなっていたので、泣きながらクロッキーしていましたね。やればやるほど自分が成長していくのが面白くて、「カラーのイラストを描きたい」「もっとページ数があるものが描きたい」と意欲が高まりました。そのうち、「これを仕事にしたい」と思うようになったんです。

 子どもが幼稚園に入園したのと同時期に、フリーランスのイラストレーターとして独立。お迎えの時間までに、頭を使うネームなどを集中してやって、子どもと帰宅してからは家事の合間にペン入れや色塗りをする、と作業を区別して取り組んでいました。どうしても仕事が立て込んでいる時は預かり保育を利用して。夏休み期間中は子どもに家で遊んでもらって、その隣で仕事をしている感じでしたね。

――かなり忙しい生活ですね。

いしかわ パソコンとiPadを併用するようになってから少しは楽になりました。iPadを使って、家事の合間にすぐに描ける状態を作ったんです。子どもが寝てる横でiPadを開いて布団にくるまって描いたこともありましたね(笑)。

2023.07.31(月)
文=ゆきどっぐ