一台の信号機も必要としない 静かな安らぎの島・ラナイを満喫 700匹の猫の聖地ほか癒やしの地5選

頼れるエキスパートが最適な宿泊プランを提案

◆Sensei Lanai,A Four Seasons Resort（センセイ・ラナイ ア・フォーシーズンズ・リゾート）

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　ラナイ島のフォーシーズンズでのステイ体験は、ホノルル空港のエクスクルーシブなロビーから始まっている。

　なぜなら、この2施設においては、すべての宿泊料金に、ホノルル・ラナイ間の往復航空券が含まれているから。しかも、搭乗する飛行機は、専用のプライベートチャーター便。スペシャルなおもてなしに、期待は高まる。

　ラナイ空港に着陸すると、そこには迎えの高級車が横付けされている。そのままスムーズに目的地へ。標高480メートルの高原には、約2万9,000坪の面積を誇る贅沢な空間が広がっている。

 「センセイ」。このリゾートに冠された言葉を耳にした大方の日本人が頭に浮かべるのは「先生」という熟語だろう。

　正解である。その名前には、真摯な理想が込められているのだ。この施設では、まず、確かな学識を持ったエキスパートが、じっくりコンサルティングした上で、各ゲストの滞在プランを提案する。

　ヨガやフィットネスといったアクティビティ、丁寧なスパトリートメント、滋養に満ちた食事など、プランに合わせたプログラムを通し、ゲストをワンランク上のウェルビーイングへと導く。

　つまり、考え抜かれたこのリゾートのシステムそのものが、まるで先生のように賢く、頼もしく、温かいのだ。

　このリゾートが大改装を終え、「センセイ」を名乗ったのは、2019年。運動・栄養・休養を三本柱に据えたアプローチは、著名な医学者、デヴィッド・B・エイガス博士が考案したものだ。

スパやレストランで日本情緒を味わう

　センセイというネーミングからも窺えるように、このリゾートでは、そこかしこに日本風の演出が施されている。

 「スパハレ」は、全10棟の個室に分かれている。そのインテリアは、まるで高級な日本の温泉旅館のよう。障子の張られた大きな窓を開ければ、縁側の向こうにあるのは露天風呂。ラナイで、和の情緒に浸るのも粋なものだ。

　メインダイニングは「センセイ・バイ・ノブ」。世界に名を馳せる日本出身の料理人、松久信幸氏がプロデュースを手がけるレストランである。光に溢れたガラス張りのパビリオンで、ヘルシーなメニューをじっくり味わいたい。

　なお、ここで使われているのが、ラナイ島にある「センセイ・ファーム」のトマトやキュウリといった野菜。この農園は、最先端のコンピュータ技術を駆使し、温室での水耕栽培を行っている。

　緑が生い茂り花が咲き誇る敷地には見どころが満載。散歩するたび、発見や驚きがある。ユーモアをたたえたモダンアート、木々に隠れた小さな温水プール、池に面したヨガスペース……。

　この地を離れて行うアクティビティも興味深い。特筆したいのが、海の魅力を満喫するサンセットセイリングだ。

　カタマランに乗って、ワイルドな海岸線沿いをクルーズ。タイミングがよければ、ハシナガイルカに会える場合も。ハワイの洋上で見る美しい落陽は、一生の思い出として脳裏に焼きつくはず。

　心と体、センセイは、どちらのウェルネスをも向上させてくれる。

2023.05.29(月)
文＝下井草 秀
撮影＝橋本 篤
コーディネート＝工藤まや

CREA Traveller 2023 vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。