緑と水の楽園、カウアイ島の魅力を1カ所に集めたらきっとこういう形になるに違いない。古き良きアイランドリゾートの包容力を実感させてくれるホテルだ。
境界線のない空間で心は潤い満たされる
◆Grand Hyatt Kauai Resort&Spa(グランド・ハイアット・カウアイ・リゾート&スパ)

地域によって大きく天候が異なるカウアイ島で、とりわけ陽光に恵まれているのが最南端のポイプ地区。
「グランド・ハイアット・カウアイ・リゾート&スパ」は、ビーチのイーストサイドに建つ広大なホテルだ。ハワイの伝統を踏まえた低層建築は、荘厳にして優雅。

その一方で、日本の古民家や琉球建築の家屋のような風を通す構造を持ち、横方向からの光がもたらす美しい陰影が、どこか懐かしいような気持ちにさせる。

1920~30年代のクラシックハワイアンをコンセプトとする館内・客室は、アースカラーが基調の落ち着いた雰囲気。

全605室のうちスイートは42室で、すべての客室にプライベートなラナイ(バルコニーまたはパティオ)があり、キラキラと輝く海や南国の花が咲き乱れる庭を我がものにできる。

特にスイートは、別荘感覚の居心地のよさから、部屋番号を指定して予約するゲストが多いとか。

9つのレストラン&ラウンジも、このホテルの魅力。ラグーンに浮かぶバンガローレストラン「タイドプールズ」では、トーチの灯を背景に、モダンなハワイアン・キュイジーヌを。

オーシャンビューの「イリマ・テラス」では、フレッシュな果物や野菜を使った朝食が味わえる。

ちなみに、敷地内にある水耕栽培の畑では、13種類のレタスを栽培し、各レストランはもちろんスタッフのための食堂でも使われているとか。サラダの鮮度がいいのはこのためだ。

2023.04.06(木)
文=伊藤由起
撮影=志水 隆
コーディネート=工藤まや
CREA Traveller 2023 vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。