世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第15回は、大沢さつきさんが英国で最も美しいと賞賛される城に宿泊した貴重な体験を披露。

ロンドンから1時間半の人気のリーズ城

濠のリフレクションも美しいリーズ城は、かつてノルマン征服時に建てられた

 古城ホテルやマナーハウスの多いイングランドで「城に泊まる」といっても、誰も驚いてはくれない。でも、観光客溢れる人気の城、リーズ城に独占ステイできるとしたら、これはちょっとイイ気分。閉園後の静まり返った広大な庭園を、我がものにできるのは、なかなか得がたい機会だ。

 英国一美しいといわれるリーズ城は、ツーリストだけでなく近隣住民の憩いの場でもあるため、とても人が多い。ただ、この城に宿泊設備があることはそんなに知られていない。だから、城に泊まる=城の500エーカー(約2平方キロメートル)の敷地を独占。王侯気分が満喫できるのだ。

向かって右に見えるのがメイデン・タワー。臣僕の家とはいえなかなか立派だ

 リーズ城には3タイプの宿泊施設があって、中でもおすすめなのが、メイデン・タワーの宿泊。この16世紀の建物は宮殿のすぐ脇にあって、かつてこの城に仕える高位の臣僕が使用していた。現在5室のスイートが用意され、1泊260ポンドにて宿泊できる。濠に囲まれたロケーションは、部屋の窓から見渡すだけで、“ワタクシハプリンセス”という心持ちにしてくれる。特に、濠から朝靄の立つ早朝の眺望は、なんともロマンティック。中世もかくやの雰囲気だ。

 もちろん、宿泊施設をウリにしている城ではないので、夕食は近くの街まで食べに行かねばならないが、しんと静まり返った夜の城に帰る気分もこれまた最上。観光で訪れるだけでは決して味わえない醍醐味だ。

左:こちらは宮殿内のベッドルーム。ここに泊まるためには、城で結婚式を挙げなくてはならない……
右:こんなゲートをくぐりながら敷地内を散策するのだが、誰ひとりいない敷地を満喫できるのはけっこうスゴい

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2014.01.07(火)
text & photographs:Satsuki Osawa