料理だけでなく、サービスもインテリアも上質

 2020年オープンのAIRAでは、料理に加えて、感心したことが、あと2つ(も)ありました。

 ひとつは”星つきレストラン”にふさわしく、テーブルサービスが行き届いていること。大勢のサービスがつねに目を配っていて、極端なことをいうと、顔をあげただけで「Sir?(なにか)」と尋ねてきます。

 食べるのに心を奪われて、あまり話しかけることが出来ませんでしたが、英語力の高さからして、会話力もそうとうでは、とお見受けしました。レストランの大事な点ですね。

 もうひとつは、インテリア。天井の高い建物はグラスハウス(温室)のようで、外光をふんだんに採り入れています。太陽光に飢えているなどといわれる北欧的な設計ともいえるのでは。

 ガラスを通して見える景色は、王立公園のゆたかな緑と、建物が面している入江の水面。そして刻々と表情が変わる空と雲なのです。

 Sweco Architectsが手がけた室内は、スウェーデンの作家のものを中心としたという家具が使われています。たとえば美しい色合いのガラスを使ったランプシェイドのやさしい灯り。

 光を大切にする北欧。アイラも例外ではない、ということです。ここのテーブルにいるだけで、気分がおだやかになっていきます。

 アイラを紹介してくれたのは、スウェーデンのボルボカーズでカラー&マテリアル(色と内装素材)のシニアデザインマネージャーのセシリア・スターク氏。

「料理も内装も、共通するのは、ストックホルムのヘリティッジとモダンさをうまく融合させている点です。すばらしい”作品”だと思います」

 スウェーデンが美しさを発揮しはじめるのは5月から。ストックホルムを味わいに、出かけてみたいものです。

AIRA(アイラ)

所在地 biskopsvägen 9, 115 21 stockholm
営業時間 ランチ 金・土曜 12:00~13:30、ディナー 水曜~土曜 17:30~19:30
電話番号 +46 8 – 4800 4900
e-mail info@aira.se

2023.04.26(水)
文・写真=小川フミオ