多くの人が一度は行ってみたいと口にする北欧諸国。その中でも最大の人口を誇り、「北欧のヴェネツィア」とも称されるスウェーデンのストックホルムには訪れるべきスポットが数多くあります。

 ライフスタイルジャーナリストとして活躍し、世界中を旅した小川フミオさんが、北欧の魅力をご紹介します。

“育てていく”楽しみに満ちたラグ。素材と製法、デザインにこだわったスウェーデンを代表するカスタール
北欧デザインを体現、遊び心に満ちたスタイリッシュなブティックホテル、ストックホルムの「ノビスホテル」
アートのような唯一無二のうつくしさ。いまのスウェーデンでもっとも人気のリリエンクランツのファーニチャー


ディスティネーションレストランになりうる「アイラ」

 ストックホルムの「ユールゴーデン」なる広大な王立公園のなかにある、ミシュラン一つ星のレストラン。「AIRA(アイラ)」は、世界中のゲストを魅了しています。

 スウェーデン料理というと、ちょっと前までは保存食材とか、サーモンやオヒョウや鱈、あるいは、牛やトナカイを使い、ちょっと大味な印象でした(個人的感想)。

 経済的にゆたかな時代を経て、グローバリズムとして世界の文化がある種混淆したいい影響を受け、いまや、それも過去の話。

 「アイラ」のトミー・ミリマキ(Tommy Myllymäki)料理長が手がける料理は、見た目は息をのむほど美しく、味は複雑。世界の料理のさまざまな要素をうまく採り入れている印象です。

 場所といい、提供されるコースの内容といい、たとえば日本からのディスティネーションレストランになりうる、と断言してしまってもいい、と私は思いました。

2023.04.26(水)
文・写真=小川フミオ