「すかしちゃいけない」
――ここからは主演ドラマ『君と世界が終わる日に』についてもお聞かせください。スペシャルドラマ、映画化も含め、かなり長いシリーズになりました。最新のSeason4の撮影はいかがですか?
Season1も2も3もそれぞれの良さがありますが、僕はSeason4の台本が一番好きです。演じている間宮響は、自分の恋人を失い、子供も奪われてという絶望的な状況から始まります。そこから子供を取り返すため、どうやって生きる希望を見出して生きていくのか……。失ったものを取り戻そうと奮闘する響を注目していただけたらうれしいです。
特にSeason4の最初は、今までまったく見たことのない響だと思います。「どうしちゃったの?」「そんなことするの!?」とびっくりするスタートになっています。
――響を演じる上で大事にしていること、演じる上での面白さなどは作品を続けていく中で変わっていきましたか?
この作品や役で一番大切なことは、本気度だと思っています。自分たちのギアをひと段階、ふた段階上げて演じているからこそ、あり得ないことが起きる世界でも複雑な人間関係だったりすごく面白い化学反応が生まれるんです。だから、すかしちゃいけないんです。それが面白いところだなと思っています。
僕らがみなさんにお届けしたいものはアクションであり、人間関係なんです。いつも死が隣り合わせの状況下で、登場人物が人間関係を構築していくわけで、お互いに影響し合っているさまが面白いと思います。だからこそ、全員が本気であればあるほどぶつかるし、台本以上の化学反応が起きると思っています。
――撮影中の楽しみというと、何になりますか?
キャストやスタッフ皆さんと、撮影から派生した話や雑談している時間がすごく楽しいです(笑)。その時間も含めて好きなので、毎朝早起きして撮影現場にむかっているんだろうなとも思います。
――ありがとうございました。最後に、本シリーズを通して竹内さんが一番得たものを教えてください。
『きみセカ』はシーズンをまたいで4作品とスペシャルドラマ、プラス映画と一番長く関わらせて頂いている作品です。本当にすごく貴重な体験だと思っています。
一番得たものと言うと……人の影響を受けられること、ですかね。本当に素晴らしい俳優のみなさんが現場にいらして、それぞれが持ってくるものがあるじゃないですか。それをしっかり受けることが大切なのかな、と思いました。柔軟に周りから吸収して、そこで表現することがいかに大事かを知った作品でした。やっぱりコミュニケーションなんだな、と『きみセカ』シリーズを続けていて改めて感じたので、そこが一番得たものだと思います。
竹内涼真(たけうち・りょうま)
1993年4月26日生まれ。東京都出身。雑誌オーディションを経て2013年にデビュー。「仮面ライダードライブ」、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、「過保護のカホコ」などで注目を集める。最近の出演作にドラマ「六本木クラス」、「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」、映画『アキラとあきら』など。
Huluオリジナル「君と世界が終わる日に」Season4
Huluにて独占配信中/毎週日曜新エピソード更新(全5話)
出演:竹内涼真 玉城ティナ 飯豊まりえ 前田公輝 / 桜井日奈子 溝端淳平
シリーズ構成:丑尾健太郎
脚本:丑尾健太郎 神田優 佃良太 小島剛人
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee 會田茂一 ノグチリョウ
演出:菅原伸太郎 保母海里風 山田信義
制作協力:日テレ アックスオン
制作プロダクション:日本テレビ
製作著作:HJ ホールディングス
https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
2023.04.15(土)
文=赤山恭子
撮影=杉山拓也
衣装協力=TANAKA