突き抜けた勢いで、できることもある

――一連のお話から、竹内さんはいわゆる天狗という感覚にはならない方なのかなと感じました。ご自身ではどう思います?

 いやあ、あったんじゃないですか(笑)?

 でも突き抜けている人は魅力的ですし、その突き抜けた勢いで、できることもあると思います。もちろん何かを失う場合もありますが、得るものもあると思うから、一概に悪いこととも言えないのかなあと、今お話しながら思いました。

――20代のうちに、ご自身の性格も変化したと思いますか?

 考え方も性格も、すごく変わりました。根底にあるものは変わらないと思いますが、意識的に変えたことは沢山あります。

 でも、最近小学校の同級生に会ったとき「変わんないね」と言われて、それはそれで嬉しかったです(笑)。性格が変わったというよりかは、幅が広がったのかもしれないです。いろいろな自分がいて、どれも正解で、様々なものを受け入れるようになったのかもしれないですね。

――どんどん広がりを見せる竹内さんですが、改めて30歳はこう過ごしたいという目標はありますか?

 30歳だからこそできる表現を見つけていきたいです。歳を重ねていくことや、吸収していくものによって開花する表現もあると思うので、40代後半から50代ぐらいに、ひとまわりもふたまわりも大きくなった自分をお見せできることを目標にしています。よりよい作品作りができるように頑張りたいです。

 あと、今年から来年にかけては「ここ最近で一番自分を追い込む年にするぞ」と決めました。どんな自分になるのか、楽しみです。

――追い込む年というのは、仕事的に、ですか?

 仕事的にも肉体的にも追い込もうと思っています。死ぬ気で追い込んだことって実はまだないんじゃないかなと。

――追い込む具体例でイメージできていることがあれば、教えてほしいです。

 具体的にはまだないんですが、準備や身体づくりも、自分がまだ到達していないところまで今やらないといけないな、と思っています。それは全部、作品と芝居のため。

 ……とは言っていますが、途中で心折れるかもしれないです。誘惑っていっぱいあるから(笑)。

2023.04.15(土)
文=赤山恭子
撮影=杉山拓也
衣装協力=TANAKA