やっぱり私、体育会系なのかも(笑)
――趣里さんは、基本ストイックで、ご自身に厳しすぎるところがあるのではないですか?
そうなんです! 仲のいいお友達からも「(厳しくしすぎないように)もうちょっと考えないと」とよく言われます 。バレエ時代から、ストイックが身に染み付いていたのかなと思います。やっぱり私、体育会系なのかも(笑)。つい限界までやりたくなってしまう。そうしないとさぼったみたいに思えて、自己嫌悪に陥ってしまいます。
でも、最近やっと、もう少し肩の力を抜いていいのかなと思うようになりました。
――きっと、限界までやったときの心地いい達成感をご存知なんでしょうね。
「やれるところまでやったぞ!」という快感ですね。やりきれなかったことが一番悔しいです。人生一度きりですから。
――そんなストイックな趣里さんが、俳優をしていて喜びを感じるのはどんな瞬間ですか?
クリエイティブな方々とお仕事をご一緒して、いろんな才能に出会い、自分も俳優部として作品の一部になれると、ものづくりの喜びを得ますね。
あと、作品を観てくださった方々の日常の彩りが少しでも増えること。自分もバレエで挫折したときに、エンターテインメントに救われた経験がありました。舞台や映画を観ている間は現実を忘れて、別の世界の視野を広げることができます。エンターテインメントって、やっぱり人生に必要なものだと私は思っています。
だから、作品を観てくださった方からお手紙をいただいたり、「〇〇を観ました」と言っていただいたりすると、やってよかったと思いますね。バレエは続けられなかったけれど、表現の世界を諦めなくてよかったです。
誰かの心を支えるといったら大袈裟かもしれませんが、少しでも寄り添うことができたらと思いながら続けています。
2023.03.13(月)
文=黒瀬朋子
写真=松本輝一
ヘアメイク=カワムラノゾミ
スタイリスト=中井綾子(crépe)