竹中直人監督の最新作『零落』に出演している俳優の趣里さん。これまでにも本谷有季子、根本宗子、大九明子、李 相日、山内ケンジら、注目のクリエイターたちの作品にひっぱりだこである。
4歳でバレエを始めて、バレエダンサーをめざしてイギリス留学までしたが、17歳のときに怪我により断念、絶望の淵に立った。そのときに趣里さんの心を救ったのが映画やお芝居、やがて俳優をめざすようになった。
今年の秋からNHK連続テレビ小説『ブギウギ』でヒロインを演じる。俳優の仕事について、ご自身について伺った。
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「根性論」で生きているので、求められたら行ききっちゃう(笑)
――趣里さんを初めて拝見したのは舞台『不道徳教室』(2013年)でした。その後、16~17年にかけて、出演された舞台を5本立て続けに観て注目しました。先日の山内ケンジさん作・演出の『温暖化の秋-hot autumn-』も素晴らしかったです。役柄にもよりますが、映画『生きているだけで、愛』(18年 関口光才監督)や『もっと超越したところへ。』(22年 山岸聖太監督)など、趣里さんの演技には思い切りのよさをいつも感じます。
人間の、たがが少し外れる瞬間みたいなものが描かれている作品だとそうかもしれませんね。けっこうやっちゃうほうかもしれない(笑)。「根性論」で生きているので、求められたらやってしまいます。
――出し惜しみをしない?
やれるところまで、限界までやりたいといつも思いますね。ふわふわと行き先のわからない状態でお芝居はもちろんできないので、舞台なんかは特に、目標に向かって「行くぞ!」という気合いみたいなものを入れてやっているところがある気がします。
2023.03.13(月)
文=黒瀬朋子
写真=松本輝一
ヘアメイク=カワムラノゾミ
スタイリスト=中井綾子(crépe)