この記事の連載

 第2回目は三陸海岸の南に位置する、南三陸町をクローズアップ。

 マストで訪れたい「南三陸311メモリアル」に、活気あふれる商店街、南三陸の食材を使った絶品タイ料理や、日本ワイン好きが注目する南三陸の新しいワイナリーを巡ります。


建築家・隈研吾が設計した人気の観光スポットでご当地グルメを満喫

 震災から約1年で誕生した仮設商店街から、後に建築家・隈研吾の監修・設計で本設オープンした「南三陸さんさん商店街」。美人杉と称される南三陸杉をふんだんに使ったあたたかみのある建物が、かさ上げした高台に並びます。

 伝承館の展望台からは志津川湾が一望でき、魅力的な飲食店が揃い、鮮魚店や雑貨店などお土産探しにもぴったりの人気の観光スポットです。中でも、全国レベルの知名度を誇る「南三陸キラキラ丼」はぜひとも味わいたいご当地グルメ。

 キラキラ丼の大きな特徴は、春夏秋冬の季節に合わせて年間4種類の丼が登場すること。とれたてツヤツヤのタコに帆立、赤くきらめくイクラやサーモンなど、ごはんが見えないほど魚介がたっぷりのっていて、輝くような見た目も贅沢なビジュアルの丼物です。キラキラ丼は町内外の9店舗で食べられ、そのうちの6店舗は「南三陸さんさん商店街」に集まっています。

 ほかにも、西の明石、東の志津川(南三陸町の旧町名)と称される地元産のタコは、鮑を食べて育った通称「セレブ蛸」。メニューにあったら、ぜひ味わってくださいね。

食楽 しお彩(南三陸さんさん商店街)

所在地 宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町201-5
電話番号 0226-46-1087
定休日 火曜(月曜は昼のみ営業)
営業時間 11:00~14:00(L.O.)、17:00~21:00(食事 20:00 L.O.、ドリンク 20:30 L.O.)
https://www.facebook.com/shiosai200711

 「南三陸さんさん商店街」に隣接する「南三陸311メモリアル」は、東日本大震災の経験を共有し、自然とともに生きることを考える場として誕生しました。

 写真家の浅田政志氏が町民とアイディアを出し合いながら制作した作品が並ぶ「みんなの広場」や、自然災害を自分自身のこととしてとらえるミニシアター「ラーニングプログラム」、世界的アーティストであるクリスチャン・ボルタンスキーの遺作「MEMORIAL」など。実践的な防災の学びや、アートを通じて心の眼で震災を見つめるゾーンといったさまざまなコンテンツにふれ、命の尊さや生きる喜び、“自然とは、生きるとは”について気づき、考えさせられる空間です。

南三陸311メモリアル

所在地 宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町200-1
電話番号 0226-47-2550(南三陸町観光協会)
休館日 火曜、年末年始(12月29日~翌年1月3日)
開館時間 9:00~17:00
料金 「みんなの広場」無料、「ラーニングプログラム」レギュラー45分 大人1,000円/高校生800円/小中学生500円 ショート15分大人 600円/高校生500円/小中学生300円
https://m311m.jp/

2023.02.08(水)
文=嶺月香里
撮影=橋本 篤