牡蠣と共鳴する海中熟成ワインなど海山の恵みと響き合うワイナリー
![印象的なラベルは、南三陸町「上山八幡宮」の禰宜である工藤真弓さんが切った創作キリコをデザインしたもの。キリコは南三陸の神社が氏子たちのために作る神棚飾りで、人々の祈りや願いが込められたこの地方ならではの縁起物です。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/5/1280wm/img_c5d3c6c87b92f889d01843dac77aa2f3330814.jpg)
毎年のようにワイナリーが開業している三陸海岸エリアは、日本ワインの産地として注目されているホットスポットです。2020年に誕生した「南三陸ワイナリー」もそのひとつ。目指すのは、海と山に囲まれた南三陸の食の恵みと響き合うワイン造り。例えば、南三陸の山の栄養で育ったブドウを醸造し、地元の漁師さんの協力によって海中で熟成させたワインは、志津川湾産の大ぶりな牡蠣と共鳴し合う妙なるペアリングが楽しめます。牡蠣と一緒に波にゆられたワイン……、と思いをはせながら飲むのも素敵です。
海産物に合うワインはもちろんのこと、山中をのびのびと駆け巡る完全放牧の「いばり仔豚」や、南三陸のワカメをエサに育てた臭みのない「わかめ羊」など、地元食材を焦点にワイン造りを行っているのがユニーク。ワインの種類も年々増えているので、今後も目が離せません。
![シャルドネやソーヴィニョン・ブランなど約10種ほどのワインとシードルをラインナップ。ラベルの創作キリコから、ワインのテイストを予想するのも楽しいですよ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/1/1280wm/img_817764a0ffa9e570936f0b3df20420d1468852.jpg)
![志津川湾をのぞむ、ワイナリーのテラス席。沈む夕日を眺めながら、潮風がよく似合うワインを味わって。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/1/1280wm/img_31395f0eedc635fa1fbc79764385d7d9403465.jpg)
フラッグシップのワインは「南三陸シャルドネ」(3,850円/720ml)。香りや旨み成分を高めるために夜明け前に収穫した、自社畑のブドウで造られています。すべての種類のワインが購入できるショップでは、牡蠣やホヤ、タコなど加工品や南三陸の海藻を使ったクラフトバターなど、お土産にぴったりなおいしいご当地の味をセレクト。南三陸戸倉産の銀鮭で作るコンフィなど、ワイナリーオリジナルの商品も揃っています。グラスワインを飲みながら、ランチに南三陸の旬の海山里プレート(1,200円)を味わうのもおすすめです。ランチ営業日はワイナリーのHPなどで確認してください。
![ワイナリーのショップ&キッチン。日替わりのグラスワインが400円~、牡蠣のバターパテ(自家製パン付き)400円など、ワインに合う地元食材のおつまみもいただけます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/4/1280wm/img_144c1d146bf25cf0d8dc62cbe8ccd4c5431932.jpg)
南三陸ワイナリー
所在地 宮城県本吉郡南三陸町志津川字旭ケ浦7-3
電話番号 0226-48-5519
定休日 月・火曜
営業時間 13:00~18:00、土・日曜、祝日 10:00~18:00
https://www.msr-wine.com/
南三陸の旅は、震災で甚大な被害を受けた地でありながら逞しく復興し、発展している町の姿に元気をもらえます。仙台から車のアクセスも優秀なので日帰りでも満喫できますが、タイ料理をしっかりディナーで堪能したい場合は1泊するのも手。泊まる価値は十二分にある、レベルの高いお料理がいただけます!
次回は「うなぎの湯」という異名を持つ名湯・鳴子温泉へ。とろっとろの湯に、身も心もとろけてほぐれる極上体験が待っています。こけし好きも必見ですよ。
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
冬こそ宮城!
まだ知らぬ美味・魅力発見の旅
2023.02.08(水)
文=嶺月香里
撮影=橋本 篤
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