この記事の連載
宮城の魅力発見の旅 #1
宮城の魅力発見の旅 #2
宮城の魅力発見の旅 #3
宮城の魅力発見の旅 #4
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/1280wm/img_667cda30cf02a832354a32fb431281ad78350.jpg)
第1回目は、世界三大漁場である三陸沖に面した港町・気仙沼へ。お目当ては感動必至の「冬メカ」と、幻想的な写真が撮れると注目を集めている「氣嵐(けあらし)」です。どちらも聞いたことがない人、必見!!
メカジキに牡蠣にサバ。港を見下ろすレストランで気仙沼の旬魚を味わう贅
![透明感のあるピンクがかったメカジキは、産地でしか味わえない鮮度のよさを物語っています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/1280wm/img_e656a5a010d770490c6940db153f8e18101768.jpg)
三陸グルメというと、牡蠣やサンマなどが有名ですが、実は知る人ぞ知る名物が「メカジキ」。水揚げ量日本一の気仙沼では一年を通して食べられますが、なんといっても脂ののった冬は別格! 10~3月に水揚げされるメカジキを地元では「冬メカ」と呼び親しまれているそうですが、その味やいかに。
気仙沼港を見下ろす高台のレストラン「鼎 斉吉」で、メカジキとセリのしゃぶしゃぶが登場するコースをいただきましょう。大トロから中トロの部位を、黄金色のスープにさっとくぐらせて味わえば、新鮮な脂はもちろんのこと、ジューシーさと瑞々しさ、濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。
とろけるように消えていく柔らかな身は、一度も冷凍していない鮮度抜群の冬メカならではの食感だそう。これぞ、まさに産地でしか味わえない口福。
![メカジキとセリのしゃぶしゃぶ。香りのよい宮城県産の根せりと一緒にいただきます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/8/1280wm/img_a867e94537162701fc5a71913337ba88111072.jpg)
![メカジキの煮魚。きめ細かな身を活かすべく火を入れるのは短くさっと、魚の質がいいからと調味は“薄化粧”。だから、ほろりととろけるほど柔らかく、じわりとにじむ脂の旨さで、お酒もご飯もすすみます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/1280wm/img_43d470be0af6376625316af754fc315b93852.jpg)
![牡蠣のみぞれ碗。さんま節の合わせ出汁の柔らかな旨みが、体にじんわり染みる美味しさです。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/6/1280wm/img_b60ccb0c73f8ca460057efc08e41dd7176614.jpg)
「鼎 斉吉」は、廻船問屋で名をはせた大正10年創業の「斉吉商店」の直営店です。市場で直接競り落とす権利を持っているため、常に最上の魚が仕入れられるそう。
気仙沼沖は暖流と寒流がぶつかる潮目で、魚種の豊富さも質も格別。夜のコースではメカジキだけではなく、ミネラル豊富な海で育ったぷりぷりの牡蠣や、青魚のクセを一切感じさせない鮮度のよい鯖など、豊穣の海で水揚げされるお魚が続々と満喫できるのです。
お魚だけではなく、宮城県角田産の滋味深い「野田鴨」や、全国的に人気の高い「三浦農園」のセリなど、冬に味を増す食材がふんだんに登場し、喜びもひとしお。ご当地調味料の使い方も面白く、「初めて出合う味」の連続に大興奮まちがいなし。
![鯖の身の肉厚さに思わず感嘆が上がる、お凌ぎの寒鯖棒寿司。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/9/1280wm/img_193d36146f19656effdb0e033fb4e68e79405.jpg)
![アジフライの概念を軽く覆してくれる、気仙沼産アジフライ。地元で水揚げされる中からさらに極上のアジを厳選!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/0/1280wm/img_0091846ba88df347dcf96be0cf660bf578882.jpg)
![地物野菜のサラダを添えた、野田鴨ロースト。繊細な肉質のクセのない鴨で、青唐辛子を使った三升漬けのソースなどでいただきます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/a/1280wm/img_4a10f5fe709fb3456d212f878e36530567490.jpg)
ほかにもお造りや、トマトの檸檬煮などのデザートに、炊き立ての土鍋ご飯、仙台味噌の味噌汁、甘味が登場。夜のコース料理は8,000円~で、8~9品のお料理がいただけます。
稀少な「さんま節」を味噌汁やしゃぶしゃぶなど、お料理の随所に使っているのも特徴です。クセがあるのかな? と思いきや、香りも味も優しく、とても上品。主役の魚介を見事に引き立てる名脇役です。
![さんま節や海鮮丼など「斉吉商店」のオリジナル商品と、東北の美味しいものや器を集めたセレクトショップも併設。センスのいいお土産が揃っています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/1280wm/img_46327a6910219459c1eccfb9ecdc9129130810.jpg)
![丘の上に佇む眺めのいいレストラン。11月からはライトアップされた気仙沼港を店内から見下ろすことができます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/7/1280wm/img_c7a383fe32bceb2dd1c79574bf0377bf120347.jpg)
鼎 斉吉(かなえ・さいきち)
所在地 宮城県気仙沼市柏崎1-13
電話番号 0226-22-0572
定休日 月曜
営業時間 金~日曜 11:00~16:00(金曜 14:00 L.O.、土・日曜 15:00 L.O.)、火~土曜 18:00(または18:30)開始~21:00
※ディナーは3名~、2日前までに要予約
※1月1日~中旬まで冬季休業
http://www.saikichi-pro.jp/store/kanae
2023.01.19(木)
文=嶺月香里
撮影=かとうまさゆき(氣嵐)、橋本 篤