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 第1回目は、世界三大漁場である三陸沖に面した港町・気仙沼へ。お目当ては感動必至の「冬メカ」と、幻想的な写真が撮れると注目を集めている「氣嵐(けあらし)」です。どちらも聞いたことがない人、必見!!


メカジキに牡蠣にサバ。港を見下ろすレストランで気仙沼の旬魚を味わう贅

 三陸グルメというと、牡蠣やサンマなどが有名ですが、実は知る人ぞ知る名物が「メカジキ」。水揚げ量日本一の気仙沼では一年を通して食べられますが、なんといっても脂ののった冬は別格! 10~3月に水揚げされるメカジキを地元では「冬メカ」と呼び親しまれているそうですが、その味やいかに。

 気仙沼港を見下ろす高台のレストラン「鼎 斉吉(かなえ・さいきち)」で、メカジキとセリのしゃぶしゃぶが登場するコースをいただきましょう。大トロから中トロの部位を、黄金色のスープにさっとくぐらせて味わえば、新鮮な脂はもちろんのこと、ジューシーさと瑞々しさ、濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。

 とろけるように消えていく柔らかな身は、一度も冷凍していない鮮度抜群の冬メカならではの食感だそう。これぞ、まさに産地でしか味わえない口福。

 「鼎 斉吉(かなえ・さいきち)」は、廻船問屋で名をはせた大正10年創業の「斉吉商店」の直営店です。市場で直接競り落とす権利を持っているため、常に最上の魚が仕入れられるそう。

 気仙沼沖は暖流と寒流がぶつかる潮目で、魚種の豊富さも質も格別。夜のコースではメカジキだけではなく、ミネラル豊富な海で育ったぷりぷりの牡蠣や、青魚のクセを一切感じさせない鮮度のよい鯖など、豊穣の海で水揚げされるお魚が続々と満喫できるのです。

 お魚だけではなく、宮城県角田産の滋味深い「野田鴨」や、全国的に人気の高い「三浦農園」のセリなど、冬に味を増す食材がふんだんに登場し、喜びもひとしお。ご当地調味料の使い方も面白く、「初めて出合う味」の連続に大興奮まちがいなし。

 ほかにもお造りや、トマトの檸檬煮などのデザートに、炊き立ての土鍋ご飯、仙台味噌の味噌汁、甘味が登場。夜のコース料理は8,000円~で、8~9品のお料理がいただけます。

 稀少な「さんま節」を味噌汁やしゃぶしゃぶなど、お料理の随所に使っているのも特徴です。クセがあるのかな? と思いきや、香りも味も優しく、とても上品。主役の魚介を見事に引き立てる名脇役です。

鼎 斉吉(かなえ・さいきち)

所在地 宮城県気仙沼市柏崎1-13
電話番号 0226-22-0572
定休日 月曜
営業時間 金~日曜 11:00~16:00(金曜 14:00 L.O.、土・日曜 15:00 L.O.)、火~土曜 18:00(または18:30)開始~21:00
※ディナーは3名~、2日前までに要予約
※1月1日~中旬まで冬季休業
http://www.saikichi-pro.jp/store/kanae

2023.01.19(木)
文=嶺月香里
撮影=かとうまさゆき(氣嵐)、橋本 篤