おすすめみりん1

杉浦味淋 古式三河仕込 愛櫻 純米本みりん 三年熟成

夏を越させて甘味を引き出す本みりん

 一般的にもろみは約3か月熟成させますが、夏を越させて約6か月と、長く寝かせることで、従来よりも濃厚な深い味わいに。そのもろみを、昔ながらの圧搾機で手作業で液体だけ搾り出し、さらに貯蔵して3年熟成。手間暇かけた本みりんです。

 濃く黒くカラメルソースのような色合いに熟成し、味わいは米焼酎の芳醇な香りと、お米のやさしい甘みと豊かな旨みが凝縮されています。

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 原材料は・もち米・米こうじ・焼酎の3つ。地元三河産のもち米(ひよくもち)と米麹は、うるち米(あいちのかおり)に国産種麹で仕込んだものです。そして本格米焼酎(※一部、粕取焼酎)を使っています。

 このみりんは、現在の代表が経営を引き継ぎ、会社の状況が厳しいことを知って悩んでいたころ、偶然、蔵の中で見つけた、祖父が書いたレシピの復刻版。100年前に書かれた小さなメモを頼りに、試行錯誤。すぐに売れず、在庫として3年が経ち、黒いみりんに変化していたものをなめてみたところ、奇跡のおいしさに気づいたことがヒットにつながりました。

 「愛櫻」という名前は、創業者である祖父の杉浦定次郎さんが「愛知県の櫻(桜)として、誰からも愛されるようなみりんに」と命名されたそうです。

2023.02.03(金)
文=清水みのり
写真=落合星文