腸内細菌をベストなバランスで維持するために、簡単に始められるのが、ふだん使ってる調味料を“本物”に変えること。“菌オタク”の料理家・清水みのりが、とっておきの調味料と発酵レシピを紹介する『調味料を変えるだけ! 身体が喜ぶ発酵調味料メソッド』(方丈社刊)より、記事を一部抜粋してご紹介します。

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本物の調味料の選び方 味噌篇

●選ぶポイント
・原材料は大豆、米(麦)、食塩のみ
・国産大豆100%、国産米、国産塩を使用
・添加物不使用
・完成後の加熱、添加物などで酵素や微生物を失活させていないこと

難しい味噌選びは冷蔵とバルブが目安!

 味噌は発酵調味料の中でも断トツに種類が多く、生産者によって多様性があります。なぜなら味噌にはJAS規格がないから。大豆と麹を使ったものが味噌と呼ばれますが、つくり手の自由度が高く、全国津々浦々、さまざまなお味噌が楽しめる半面、本物の味噌を選ぶのが難しくもあるでしょう。

 味噌選びの重要なポイントは「酵素、微生物(菌)が生きているかどうか」。味噌に含まれる微生物や酵素を身体に取り入れることは、手軽にできる腸内環境をよくする方法です。

 加熱しないで自然のままに1年以上発酵熟成させる、昔ながらのつくり方の「天然醸造」のものを選びましょう。

 さらに気をつけたいのが、添加物。出汁入り味噌などは加熱をした上にさまざまな添加物(酵母エキス、カラメル色素、保存料、香料、調味料[アミノ酸など])が使われていることもあり、健康効果は期待できません。味噌を物流に乗せるための加熱処理(パッケージの膨張を防ぐため)、アルコール、酒精の添加(酵母菌の発酵増殖を抑制)なども、ラベルを見ただけではわからない場合も多いので、メーカーのHPを読んだり、直接問い合わせてみましょう。

 ほかに、カンタンに見分ける方法として、パッケージにバルブという膨張をしても余計な空気が抜ける、小さい穴の空いた突起がついているものを見つけてください。店頭で低温冷蔵(チルド)で保管販売されているかどうかも、判断基準となります。

2023.02.02(木)
文=清水みのり
写真=落合星文