この記事の連載

 全身の健康の9割は腸と関係しているといっても過言ではないぐらい大事な器官、腸。その腸が健康でいるために、何よりも大事なのは、「超動く腸」を作ること。

 腸の動きが活発であれば、善玉菌が増え、さまざまな身体の不調や病気が改善に向かうのです。消化器専門医の川本 徹氏が教える、「超動く腸」の作り方が収録された書籍『結局、腸が9割』より、一部内容を抜粋して3回にわけてご紹介します。

 まずは、入って来た食べ物を分解・消化し、吸収し、さらに便を作っていらないものを排出するために欠かせない動き=ぜん動運動を促進するエクササイズ篇です。


うつ伏せ&腰あったかマッサージ

 「超動く腸」を作るために、毎朝の習慣にしてほしいのがこちらのエクササイズ。起きた直後、布団の上でしばらくうつ伏せ寝をしてみましょう。

 朝起きたら、そのまま布団の上で一度うつ伏せに寝て、10分くらいうつ伏せ状態をキープする。うつ伏せをしている間は、背中から腰を20~30回さする、わき腹をもむ、疲れたら休憩、を繰り返して。

 10分経過したらあお向けになって、仕上げにお腹の「の」の字マッサージを行うとより効果的!

効果は実証済み! 寝るだけでぜん動運動が起こる

 簡単すぎて、こんなことで効果があるの? と不思議に感じるかもしれませんが、これはぜん動運動を促進するエビデンスのある動きを2つ組み合わせたものなのです。

 うつ伏せで寝ることと、背中を温めることにはぜん動運動を促す効果がある、という研究結果があります。うつ伏せになると、腸は通常よりも圧迫された状態になるため、一時的にぜん動運動が制限されます。

 その一方で、腸の内側にかかる圧が上昇するため副交感神経が剌激されます。その状態をしばらく維持した後に起き上がると、腸の圧迫が解除されると同時にぜん動運動の勢いが増し、排便が促されるというメカニズムです。

 また、温めることでも副交感神経が優位になり、腸がリラックスし、ぜん動運動が促進されます。

2022.11.05(土)
イラスト=松本麻希