予約の取れない漢方家、櫻井大典が伝授する、不調を改善して病気にならないための、食事と睡眠の新常識をまとめた一冊『病気にならない食う寝る養生』(学研プラス)より、最強の健康法の一部を抜粋して紹介します。


玄米が体に合う人は、実はかなり少数です

 玄米は、確かに栄養価が高くいろいろな効能も期待できるのですが、食物繊維がとても多いため、食べる人を選ぶ食材です。

 「ビタミンや食物繊維を補いたいから、白米を玄米に変えているんです」と健康意識の高い方はおっしゃるかもしれませんが、食物繊維が多いということは、消化しにくい食べ物なのです。

 消化しにくいということは、栄養を吸収しにくい、エネルギーに変えにくい、体の一部に変換しづらいということです。

 ですから、今あなたが健康な状態で、もっと健康になるためにと玄米を選ぶのならいいのですが、何らかの不調があるのなら、玄米はおすすめできません。

 胃腸が弱い人、便秘、下痢、食欲不振などがある時は摂らないほうがいいですし、また、疲れやすい人や体力が落ちている時なども合いません。

 実際、相談者さんの中にも、便秘解消のためにと食べ始めた玄米で、かえって便秘を悪化させている方がいらっしゃいます。

 玄米が向いているのは、胃腸が丈夫で、普段から焼肉、ラーメン、から揚げなど、油っこいものばかりを好んで食べている食生活の人です。ケーキやチョコなどの甘いものが大好きで、よく食べるという人にもいいでしょう。

 このような人は体内に不要物が溜まりやすく、また排出もできていないことが多いので、玄米のように食物繊維が豊富なものを積極的に食べてほしいのですが、そういう人たちは白米好きが多いのが皮肉なところです。

 胃腸はあまり強くないけれど、できるだけ健康にいいものを食ぺたいという人は、玄米と白米の間の”分づき米“にするといいですよ。

 ただし、白米も分づき米もしっかり噛むことをお忘れなく。

2022.08.29(月)
文=櫻井大典