世の中にあふれる、さまざま美容情報。多すぎて、どれを実践したらいいの? と悩んでいる人も少なくないよう。
そこで、形成外科専門医の西嶌順子先生が提案する「本当に肌によい美容メソッド」を詰めこんだ、『「無駄なケアをやめる」から始める 美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社)から、とっておきの美肌情報を一部抜粋&追加取材して、5回にわけてご紹介。先生がプライベートで実践している美肌アクションも必見です。
美肌スキンケアの新常識その①
「プロ」と「プレ」、2つのバイオティクスを摂る
免疫力の要となる腸を健やかにする“腸活”がトレンドになっています。
その際、キーワードとしてよく聞くのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」です。
プロバイオティクスは、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、腸内フローラのバランスを改善して、体に有益な働きをする生きた微生物、つまり善玉菌、もしくは、それを含んだ食品のことです。
摂取しやすい代表的な食材は、乳酸菌を含むチーズ、納豆、キムチ、ビフィズス菌を含むヨーグルト、酪酸菌を含むぬか漬けなどです。
プレバイオティクスとは、プロバイオティクスの働きを促すものです。
その定義は「腸内の善玉菌だけに働き、増殖を促したり活性を高めたりすることで、健康に有益な物質」。
具体的には、善玉菌の助けとなることで腸内環境を整える、オリゴ糖や食物繊維の一部です。
食物繊維には、イヌリンやポリデキストロースなどの水溶性のものと、キトサンなどの不溶性のものがあり、どちらも摂取しましょう。
健康効果としては、酪酸菌・乳酸菌・ビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、ミネラル吸収促進作用、炎症性腸疾患への予防・改善作用が報告されています。腸の健康のために積極的に摂りたい成分です。
プレバイオティクスを摂取できる代表的な食材は、オリゴ糖を含む玉ねぎ、キャベツ、豆類、水溶性食物繊維を含む海藻や大麦、こんにゃく、ひじき、らっきょう、そして不溶性食物繊維を含む、きのこや果物、甲殻、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含む、ごぼう、にんじん、じゃがいも、なっとう、キウイなど。
大腸に住む善玉菌の多くは、特に水溶性食物繊維が大好物。それらをエネルギー源に活動範囲やエネルギーを増長させますので、意識的に摂りましょう。
覚えておきたい美肌ポイント!
・プレバイオティクスは、オリゴ糖や食物繊維の一部(イヌリン、ポリデキストロースなど)。
・食物繊維は「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分」。腸内環境を安定させて整え、腸内の腐敗物の排泄を促し、善玉菌の働きを高める。
・食物繊維には水溶性と不溶性があり、どちらも必要。
2022.07.04(月)
文=増本紀子(alto)