この記事の連載

ゆっくりと時が流れるライフスタイルに身をゆだねて

 料理学校がオープンすると、遠方から訪れる人の求めに応じて、宿泊施設として2棟のコテージが改築され、さらには8室を擁するデザインホテルとしてファームハウスが改築された。こうしてタイムは村として大きく成長していった。

 現在では、ロンドンでシェフとして活躍していた長男のチャーリーさんがビジネスに加わり、牛の厩舎を改築したレストラン、オックス・バーンで腕を振るっているほか、娘のミリーさんも商品開発やマーケティングを担当している。

 オリジナルブランド「バーティオリ」では、カリンさんが描いた植物画をプリントしたプロダクトや、ビューティシリーズを商品化。

 特に何度もテストを重ねて作り上げた、ボディにもヘアにも使えるソープ(16ポンド)は、しっとりとした使用感で、人気が高い。客室バスルームで、実際に使って気に入った多くのゲストが、お土産として購入して持ち帰る。

 都会の生活に別れを告げ、この土地に根を下ろすことを選んだ、オーナー家族の物語をひもとき、その心地よいライフスタイルに身をひたす、ここではそんな時間(タイム)が待っている。

2022.12.06(火)
文=安田和代(KRess Europe)
撮影=川上 真

CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

HOTEL 愛しきあの街のホテルへ

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