この記事の連載
イギリスのカントリーサイドホテル #1
イギリスのカントリーサイドホテル #2
イギリスのカントリーサイドホテル #3
イギリスのカントリーサイドホテル #4
コロナ禍での制約があった頃、人々は互いとの距離を十分にとれる屋外での楽しみを求めた。
英国では、すでにコロナ禍の法的規制は全面解除されているが、国内のカントリーサイドの人気は健在だ。
コロナ禍をはさんで、英国内の旅行者は、「自然に囲まれた可愛い村」よりも「リアルな自然」を求めるようになった。それは環境保護に対する支持の表明でもあり、同じ熱量での取り組みがホテルの側にも求められているのだ。
今イギリスでおすすめのカントリーサイドホテルを4回に渡りご紹介。
一級品のストーリーをひもとくマジカルワールドにご案内
◆Somerset The Newt in Somerset(ザ・ニュート・イン・サマセット)
![広大な敷地には休日を過ごすためのすべてがある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/c/1280wm/img_7c2953b625528f50d558da02e82f16ec211592.jpg)
グラストンベリーをはじめとするパワースポット、アーサー王伝説ゆかりの地……英国南西部サマセット州には、観光客を惹きつける多くの魅力がある。
しかし、ザ・ニュートにやって来る人は、サマセット州を訪れる際の宿泊先としてここに立ち寄るのではない。ザ・ニュートを体験するためにサマセット州に向かうのだ。
ここには、都市型の生活から離れて休暇を楽しみたい人々を満足させる、およそすべてがある。
![キッチンガーデンから眺めるハドスペン・ハウス。この地域で切り出される石を使ったジョージアン様式の建築だ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/f/1280wm/img_af7698ed8d8213682fbc3f92de80a7e2237054.jpg)
約320ヘクタールの広大な敷地には、1690年頃築という歴史ある屋敷ハドスペン・ハウスを中心に、レストランやバーはもちろん、手入れの行き届いた庭園や果樹園、ウッドランド、農場、博物館に加えて、サイダー(シードル)の醸造所にパン工房、ファームショップ、さらには遺跡から再現されたローマ時代の別荘(!)までもが揃っている。
![約600本のリンゴの木で構成された迷路に面したガーデン・カフェ。日帰り入場での利用も可能だ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/1280wm/img_b97fdc13e1ae7263b168ba5195cb7c8d322551.jpg)
そしてどれもが、その道の専門家がエキセントリックに追求した英国の一級品であり、そこには多くの語られるべきストーリーがある。
![ガーデン・カフェでは、敷地内で収穫された旬の野菜を使ったコースランチ(27ポンド~)が楽しめる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/d/1280wm/img_7d35c7503f0acafc65a79981de2cdf9a201735.jpg)
訪れる人を捉えてやまないのは、おそらく完成品を愛でる喜びだけではなく、そこから得られる学びや気づきなのかもしれない。
![ガーデン・カフェのコースランチの一品。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/1280wm/img_de30523ed3b22f3b8829bd214d99ce31172331.jpg)
2022.12.03(土)
文=安田和代(KRess Europe)
撮影=川上 真
CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。