赤と白のボーダーシャツ、ニット帽にメガネが特徴的な青年、ウォーリーを探し当てる絵本『ウォーリーをさがせ!』シリーズ(フレーベル館刊行)。同シリーズは1987年にイギリス人イラストレーターのマーティン・ハンドフォード氏が出版して以来、38か国、30の言語に翻訳され世界中の子どもたちから愛されている名作絵本です。

 そんな『ウォーリーをさがせ!』が今年で35周年。

 これまでにウォーリーはさまざまな地域、時代を冒険してきました。旅のなかまは、ガールフレンド・ウェンダ、犬のウーフ、ウォーリーにいつもいたずらを仕掛ける黄色と黒の縞模様の服を着たオズロー(オドロー)、まほうつかいしろひげなど。

 『ウォーリーをさがせ!』から『ウォーリーをさがせ! 謎のメモ大追跡!』までの7作品で、ウォーリーが旅をした世界はなんと全部で77。ウォーリーたちが歩んできた旅路を一緒に振り返ってみましょう!

※出版年は初出時のものを表記していますが、本記事では改訂版『New-』シリーズを参考にしています。

あなたが冒険したことを覚えている作品は?
» (1) 世界各地のトラブルに巻き込まれる?『ウォーリーをさがせ!』(1987年)
» (2) 過去から未来まで渡り歩く『タイムトラベラー ウォーリーをおえ!』(1988年)
» (3) 衝撃のラストが待ち構える『ウォーリーのふしぎなたび』(1989年)
» (4) 憧れだった映画制作の裏側に潜入!『ウォーリー ハリウッドへいく』(1993年)
» (5) 本の世界の住人が現実に…『ウォーリーの ゆめのくに だいぼうけん!』(1997年)
» (6) 消えた肖像画のモデルを探し出せ!『ウォーリーをさがせ! きえた名画だいそうさく!』(2006年)
» (7) 謎のメモを頼りにいざ大冒険!『ウォーリーをさがせ! 謎のメモ大追跡!』(2010年)


世界各地のトラブルに巻き込まれる? 珍道中ばかりのシリーズ1作目

◆『ウォーリーをさがせ!』(1987年)

 記念すべき1作目は、ウォーリーが私たち読者に「一緒に世界旅行に行かないか?」と提案する場面から始まります。そこで読者は彼から旅先で自分を見つけてほしいとお願いされるのです。

 今作は雪山のゲレンデからサメが出る大海原まで幅広い世界が舞台。ですが、旅は順調とはいきません。立ち寄った駅では線路の通っていない場所で電車が走っている、空港ではジャンボなゾウがジェット機に乗っているなど、目を疑うような珍現象を目撃することになります。

 これにはウォーリーも「ムチャクチャだよ!」「へんだ!」とお手上げ! でもよーく見てみると、電車の屋根でくつろぐ宇宙人、その宇宙人を追う警官、汽車の煙を浴びて目をハンカチでおさえる人……ウォーリーたち以外の登場人物が生き生きと詳細に描かれているのがわかります。そんな人たちを眺めるだけでも楽しい!

2022.10.29(土)
文=文月/A4studio