◆『ブランチライン』池辺葵

【姉妹】姉妹は似ていないようで似ている

 世代も違い、生き方も考え方も異なる四姉妹と母。姉妹各人の選択に、互いが納得かつ賛同し、尊重し合っているのがいい。

 似ていないこの姉妹、ひたむきさとよりよく生きたいという思いは似ているかも。

『ブランチライン』池辺葵

祥伝社 748~770円 既刊4巻

ほかにも

『三拍子の娘』(町田メロメ/ebookjapan/DU BOOKS)
『百木田家の古書暮らし』(冬目景/集英社)
『ツイステッド・シスターズ』(山下和美/講談社)

◆『特別じゃない日』稲空穂

【いつもの日常】特別じゃないことが愛おしい

 小さな街に暮らす人々の群像を描くシリーズ。

 本書では、無口なバイト青年が拾った子猫がいなくなったことから生まれた、隣人同士の小さなつながりが描かれる。無愛想に見えた人たちの優しさが不意にこぼれ出るさまが秀逸。

『特別じゃない日』稲空穂

実業之日本社 各990円 既刊2巻

ほかにも

『ひらやすみ』(真造圭伍/小学館)
『急がなくてもよいことを』(ひうち棚/KADOKAWA)
『いいとしを』(オカヤイヅミ/KADOKAWA)

2022.11.15(火)
Text=Asako Miura

CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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