“福” があるレトロな温泉街でのんびり
![石見エリアならではの風景といえば、赤い石州瓦の家並み。JR波子 (はし) 駅そばの古城山展望台では、青い海、白い砂浜、赤い屋根瓦が織りなす絶景を満喫できます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/1280wm/img_b4527ec9536ad8723c58cf61fd0f875e191682.jpg)
“ニッポン美肌県グランプリ” で、グランプリ受賞回数日本一の島根県。その美肌文化を支えているもののひとつが、県内各地に湧出する温泉。石見エリアにもたくさんの温泉地が点在し、地元の人々にこよなく愛されています。
◆有福温泉でレトロな風情を楽しむ
![西暦651年に天竺から来た法道仙人によって発見されて以来、1400年近くにわたって人々を癒やし続けてきた有福温泉。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/d/1280wm/img_bdc10310192f255cb93d33df2faedc3882535.jpg)
そのなかでも最近とくに注目を集めているのが、有福 (ありふく) 温泉。“福が有る”という、なんとも縁起のいい美肌スポットです。
![山に囲まれた小さな温泉街を散策。「いいですね、この雰囲気。大好きです」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/a/1280wm/img_aa393697097da42d2c0083935fce5416187574.jpg)
のんびり散策しても、すぐにぐるりと見て回れる小さな温泉街。昔ながらの情緒を色濃く残しているのが魅力です。
![石州瓦の古い家屋も大切に受け継がれています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/b/1280wm/img_fb566c05b4c092db7dd25ddcb9ae39fb102918.jpg)
この温泉街の名物といえば、3つの外湯。とくに “必浴” は、昭和5年に建てられたレトロな空間が素敵な「御前湯」。湧きたての新鮮な源泉で浴槽は満たされていて、湯温は43度とやや熱め。とろりとして肌にやさしくなじむ湯は、古くから美人湯として知られています。
![昭和な空間で人気の「御前湯」。「いいお湯でした。地元のおばあちゃんたちが和んでいる様子に、心まで温まります」と磯村さん。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/e/1280wm/img_9e8abe9e3d81d8f7265501b121d962d8144154.jpg)
![「御前湯」の館内には、古い写真も飾られていて、プチ・タイムトリップ気分。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/b/1280wm/img_cb482ee519b3e4bc6b5ef93b8668173f146432.jpg)
◆最新カフェ&レストランでひと休み
レトロな風情の有福温泉ですが、新しいスポットも誕生しています。それが2021年秋にオープンした「石見食堂 有福BIANCO」。オープンテラスもある、おしゃれなカフェ&レストランです。
![小さな温泉街に誕生した注目スポット「石見食堂 有福BIANCO」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/3/1280wm/img_334e9528f10cb8f4ca3ebbbc70f45c24154622.jpg)
メニューはイタリアンがベース。地元漁港に揚がる新鮮魚介のほか、近隣の農家の旬野菜などを取り入れ、ワインも約60種を用意。
散策途中のひと休みはもちろん、地産の旨みをゆったりと味わえるディナーも格別です。
![季節のディナーコース (5,200円) の一例。〈写真左〉「鮎のコンフィ カポナータのガトー仕立て」。〈写真右〉「牛フィレのロティ ポルチーニのソース」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/1280wm/img_2f1ce862ff2d938be014d0f544866c7889269.jpg)
![「ベーコンとキノコのアラビアータ」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/7/1280wm/img_f721a03b8576128517e38168ed8b17dd97002.jpg)
また、お店の向かい側には、姉妹店のワインショップ「グラン・ヴァン18区」が。
こちらでは、気になるワインをテイスティングして購入可能。注目の島根産ワインも常備していて、気軽にスタッフに相談しながら好みの一本に出会えます。
![ワインショップ「グラン・ヴァン18区」。“部屋飲み用” の1本を購入する旅行者も多いそうです。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/5/1280wm/img_b5beac997606c94daac40530b9837460155325.jpg)
![「グラン・ヴァン18区」のおすすめ島根ワイン。左から、奥出雲葡萄園「シャルドネ」3,300円、「杜のワイン」白・赤 各2,640円、島根ワイナリー「島根わいん縁結 マスカット・ベーリーA」2,480円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/5/1280wm/img_15ea3f534abe72f7d367a01b1ee5a67f112227.jpg)
◆贅沢旅館で名湯と美食に満たされる
現在、5つの旅館・ホテル (うち2軒はリニューアルのため休業中) がある有福温泉。なかでも、自然を近くに感じながら心静かな時間を過ごせるのが「旅館ぬしや」。その由緒は270余年前にまでさかのぼる温泉旅館です。
![自然のなかに溶け込むように本館と離れの客室がたたずむ「旅館ぬしや」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/1280wm/img_35f9694ee4337bee34020643ab588525302075.jpg)
客室はわずか9室ながら、一棟建て離れやスタリッシュな本館客室などそれぞれ趣が異なり、石見地方の古民家を移築した離れは、温泉露天風呂付き。鳥の声や木々のざわめきなど、自然の音に包まれて、日常をすっかり忘れることができます。
![2021年9月にリニューアルして誕生した本館洋室「朝霧」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/a/1280wm/img_8afcb5d1a6f8f1ca8394b0b6e1de0832116246.jpg)
![ロビーラウンジには、地酒などを自由に楽しめるコーナーも。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/1280wm/img_ced1a730c4234a793c4d235411f06c2c141127.jpg)
森を眺める大浴場も風情たっぷり。貸し切り風呂も用意しているので、心おきなく美人湯を堪能できます。
![石見神楽のおろちなど、ご当地ならではのモチーフを取り入れた大浴場 (女湯)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/f/1280wm/img_ef8ae211e50d1886c6125af6591108ca163521.jpg)
![貸し切り風呂は「檜」「石」の2つを用意。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/c/1280wm/img_7c294ab83ffd0e2d5e596744ea4ad5e9125342.jpg)
![古民家離れ「ぼたん」には、石造りの源泉かけ流し露天風呂が。透き通った湯が全身をやさしく包み込みます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/6/1280wm/img_961d78c030d814f9f03da08e69eb3dc7211002.jpg)
![江戸時代後期の古民家を快適に改装した古民家離れ「ぼたん」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/1280wm/img_abbcdddda53f9c142ca3cf9ac8f94f43135384.jpg)
そして、滞在の大きな楽しみが、石見の美味を存分に味わい尽くせる夕食。
![料理長の技と感性が凝縮した「季節の創作会席」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/2/1280wm/img_a2dfda9d0f1a0d6ad3fd7b918a37162b171294.jpg)
島根・浜田港に揚がる新鮮魚介をはじめ、しまね和牛、地元野菜、そして島根産コシヒカリまで、テーブルの上には、石見の旬がたっぷり。
![〈写真左〉鮮魚のお造りに添えられるのは、津和野町産の島根わさび。〈写真右〉旨みたっぷり「のどぐろ煮付け」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/1280wm/img_ab3c81f3e6abd154f70559f216161e2b163924.jpg)
また、豪快なスタイルで提供される名物「海鮮炭火会席」もおすすめです。
コースの主役は、大ぶりな伊勢海老、ふっくらとした鮑などの贅沢食材が特注の石州瓦の上にのっている「瓦宝楽焼」。石州瓦製の焜炉 (こんろ) の上で炭火焼きにするもので、あふれる旨みに誰もが感激……。
![「海鮮炭火会席」で提供される名物「瓦宝楽焼」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/1280wm/img_e82054ec78c1a7d276e6474c48c0b373171496.jpg)
![石州瓦の特製焜炉。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/1/1280wm/img_81861837c5fe8571860ffaba4405259481730.jpg)
ここにしかない “口福” を、存分に堪能できます。
2022.11.17(木)
文=矢野詔次郎
写真=志水隆
協力=(公社)島根県観光連盟