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 「人類には早すぎる料理」「きょうの呪術」などなど、テレビで「おったて」レシピが披露される度に話題となり、SNSでも大人気の料理愛好家・平野レミさん。

 でも、そんなインパクトのあるひらめき料理だけでなく、「ラクで手ごろでムダがない」家庭料理がとびきり美味しいのも、レミ流レシピの魅力です。

 今回は平野レミさんの新刊『平野レミのオールスターレシピ家族の絆はごはんで深まる』より、「食べれば小籠包」の作り方をご紹介します。


“ごっくん”コロッケから生まれた「食べれば」シリーズ

 私のレシピによく登場する「食べれば〇〇」シリーズは、コロッケがきっかけで誕生しました。幼稚園から帰ってきた息子に「お母さん、今日はコロッケが食べたい」と言われたことがあってね。でも私はその日、朝からずっと撮影でくたびれちゃってて。だってコロッケって、じゃがいもを蒸して、挽肉と玉ねぎのみじん切りを炒めて、合体して団子にして……って面倒でしょう。「え~コロッケ作るのか」と思った時に、ひらめいたんです。

 つぶしたじゃがいもに炒めた挽肉と玉ねぎをかけて、パン粉の代わりにコーンフレークを砕いてトッピング。揚げないし、団子にもしません。でも食べたらコロッケなのよ! 最初、食卓に出した時は「こんなのコロッケじゃないよ」といった反応だった息子たちも、食べてみたらびっくり。「ごっくんしたら、コロッケだ!」ってね。

 そうして誕生した「食べれば」シリーズは、我が家のお嫁二人にもとっても評判。少し前、樹里ちゃん(上野樹里)に呼ばれて、餃子とたこ焼きをちゃんと一緒に作ったんです。ところが後日、本に「食べればたこ焼き」のレシピが載っているのを見た樹里ちゃんが「レミさん、たこ焼きってこれでいいんですね! な~んだ」って(笑)。もちろん、みんなでくるくるつつきながら作るのも楽しいんだけどね。

2022.10.23(日)
文=CREA編集部