この記事の連載

 「人類には早すぎる料理」「きょうの呪術」などなど、テレビで「おったて」レシピが披露される度に話題となり、SNSでも大人気の料理愛好家・平野レミさん。

 そんな平野レミさんが、またまた新しいレシピ本『平野レミのオールスターレシピ家族の絆はごはんで深まる』を上梓しました。

 「食べれば小籠包」のレシピをご紹介した前編に続き、後編では和田家の食器コレクションについて伺います。


料理にとって食器は、人間にとってのヘアスタイルと同じ

 今回のレシピ本はぜ~んぶ自宅で、自宅の食器を使って撮影しました。人間の顔って、ヘアスタイルによってまったく印象が変わるでしょ。料理も同じ。お皿によって表情が変わるんです。料理が完成して、どれに盛ろうかな~って考える時間も大好きなのよね。

 ダイヤモンドとか洋服とかは全然興味ないの。だからうちは、棚という棚が食器でいっぱい。旅先でも必ず行くのは市場と骨董屋ね。たとえば香港で買ったこのお皿。骨董品屋で泥まみれのお皿を見つけてね。「これはすごい年代物だ!」と持ち帰って洗ったら、スーっと泥が落ちちゃって……。ピカピカの新品に。騙されちゃった(笑)。

 シチリアで買ったこちらのお皿もお気に入り。和田さん(夫でイラストレーターの和田誠さん)と旅行した時に購入しました。描かれているのは、安西水丸さんも好きだった「ウィローパターン」と呼ばれる中国の古い悲恋物語。シチリアのお皿は煮物を載せても、炒め物を載せても、なんにでも合うんですよね。地味な料理を載せてもぱっと華やかに見えるところが気に入っています。黒柳徹子さんに「素敵ね」と褒められた、イタリアのトレヴィーゾで買ったお皿も面白いでしょ。マヨネーズをかけたくなっちゃう。

2022.10.23(日)
文=CREA編集部