水上スパで、トロピカルフィッシュを眺めながらのマッサージ

 「ギリ・ランカンフシ」の「メーラ・スパ」があるのは、客室と同様にボードウォークを渡った水上。「メーラ」とは、サンスクリット語で「海」を意味する。その名の通り、6室のトリートメントルームは、揺れない船の上のような開放感だ。スパレセプションの2階にはリラクゼーションスペースがあり、マッサージ後には水平線を眺めながらまどろむことができる。

 トリートメントメニューは、額にオイルを垂らすシロダーラを始めとするインドのアーユルヴェーダ、腸を整えるチ・ネイ・ザン、ハーブの湿布で身体を温めるタイマッサージ、チベットのシンギングボウルの音色と組み合わせたマッサージなど、多種多様だ。

 スパのレセプションで受付を済ませると、セラピストが個室へと案内してくれる。バスローブに着替えたら、まずは温かいフットバス。やさしく足を洗ってくれる感触とともに足が温められて、一気にリラックスモードへ。

 そして、トリートメントベッドに移動してマッサージが始まる。床の一部はガラス張りになっていて、うつ伏せになると、ちょうど床下の海が見える造り。海底の白砂が透けて見えるほど透明な海面を眺めていると、ときおりトロピカルフィッシュがやってくる。ゆらゆら揺れる水面と心地よいマッサージが、夢の中へと誘なってくれる至福の時間だ。

 マッサージが終わると2階のリラクゼーションスペースへ。ここは見晴らし抜群で、水平線を見渡すことができる。マッサージで身体が緩んだ後に、お茶で水分を補給しながら、ふかふかのマットが配されたデイベッドに身を委ねれば、波の音と肌をなでる海風だけを感じながら、海に溶けてしまいそうだ。

 「メーラ・スパ」では、ウェルネスプログラムも充実していて、呼吸を整える「プラーナヤーマ」、瞑想、マシンジム、各種ヨガなどが用意されている。ヨガは、日曜以外の早朝から無料で参加することができるプログラムがあるので、爽やかな1日のスタートにお勧めだ。

2022.06.21(火)
文・撮影=たかせ藍沙