インド洋に宝石をちりばめたような美しい島国、モルディブ。26の環礁に、サンゴが砕けた白砂が積もってできた、約1,200の島々がある。そのうち、人が住んでいるのは約200島で、リゾートホテルがあるのは約160島。そのほとんどは、小さな島には1軒のリゾートホテルしかないという、アイランドリゾートとなっている。
モルディブは、コロナ禍で最も早く国境を開いた国のひとつで、2020年7月には観光客を受け入れていた。2022年3月13日からは入国時のPCR陰性証明書も不要になり、誰でも自由に入国できるようになった。コロナ禍でも次々と新しいリゾートがオープンしている。そこでは既に、世界中から観光客が訪れてヴァカンスを楽しんでいて、ほとんどのリゾートが満室だ。4回に分けて、以前のにぎわいを取り戻している4つのリゾート島と、ラグジュリークルーズ船をご紹介しよう。
美しいビーチと充実のスパ、そして美食 「フォーシーズンズ リゾート モルディブ アット ランダーギラーヴァル」
日本からモルディブへは、アジアや中東で乗り継ぐフライトで行くことになる。現地到着が夜になることが多いが、今回はカタール航空のドーハ国際空港内ラウンジを取材してから、早朝にモルディブ・マレのヴェラナ国際空港に到着した。カタール航空は1日に数便モルディブ便を飛ばしているので、比較的自由に旅程が組みやすいのだ。
空港から離れているリゾートに行く場合、モルディブに日没後に到着すると、空港近くで1泊して翌朝移動になるが、昼間に到着すれば、そのままリゾートに移動できる。今回はカタール経由での入国だったので、国際空港のターミナルから車で水上飛行機の発着ターミナルへ。最初の滞在先である「フォーシーズンズ リゾート」は、ここに専用ラウンジを持っている。飲み物やスナックを楽しんで、離陸時間になったらゲートに移動だ。
発着ターミナルがあるマレから「フォーシーズンズ リゾート モルディブ アット ランダーギラーヴァル」があるバア環礁までは、水上飛行機で北へ約35分。途中、窓からは環礁内のサンゴ礁が織りなす絶景を眺めることができる。深いブルーの上に、リーフや島が宝石のように浮かんでいる。
水上飛行機を降りたら、船に乗り換えて3分ほどでランダー ギラーヴァル島に到着。桟橋から白砂の島へ。まず出迎えてくれるのは背の高いヤシの木が左右に並んだアプローチ。このヤシの木は、リゾートができる前にココナツ畑だった頃の名残だそう。
レセプションに着くとソファに誘われ、チェックインの手続きをする。そこに運ばれて来たウエルカムドリンクは、本物のヤシの実のジュース。「あぁ、南の島に来たのね!」と実感させてくれる。冷えていて、ほんのり甘くて美味しい!
この島は、モルディブのリゾート島の中では比較的大きな島なので、たっぷりサイズのプールがあったり、西側にはもうひとつのプールがあって、ビーチが砂州となって長く伸びていたり、好きな場所を見つけてくつろぐことができる。
滞在中に忘れずに訪れたいのが、桟橋横にある「マリン・ディスカバリー・センター」。「フォーシーズンズ リゾート モルディブ アット ランダーギラーヴァル」はリゾートオープン当初から環境保護に熱心に取り組んでいて、活動の内容を展示しているのだ。マンタの個体識別や個体数のリサーチも、長年続けているプロジェクトのひとつ。バア環礁はユネスコ生物圏保護区に指定されていて、リゾートの近くにある「ハニファル湾」には数十匹のマンタが一堂に会して乱舞することがある。マンタが現れるとボートで見に行く「マンタ・オン・コール」も滞在ゲストに人気のアクティビティだ。
センター内では、傷ついたカメを保護したり、クマノミなどを繁殖させていたりもしている。繁殖させた魚たちは各地の水族館などに輸出しているそうだ。野生の魚たちの違法採取を防止することに繋がるという。
2022.04.18(月)
文・撮影=たかせ藍沙