インド洋に宝石をちりばめたような美しい島国、モルディブ。コロナ禍でいち早く国境を開き、以前のにぎわいを取り戻しているリゾート島をご紹介。
桟橋でバトラーが出迎えてくれるネイチャーリゾート
「ギリ・ランカンフシ」は、すべての客室が水上にあるラグジュアリーなリゾート。ヴェラナ国際空港からのアクセスも抜群で、スピードボートで約20分。前回ご紹介した「フォーシーズンズ リゾート モルディブ アット クダフラ」の南、すぐ近くにある。
リゾートに着くと、「Mr.フライデー」のアリフさんがウェルカムドリンクとおしぼりを持って「ようこそ、ギリ・ランカンフシへ!」と、出迎えてくれた。滞在中に細々とケアしてくれる私の専属バトラーだ。「2泊だけの短い滞在だけれど、よろしくね!」と、ご挨拶。
「ギリ・ランカンフシ」では、小さな島から3方向に延びるボードウォークに沿って2階建ての水上ヴィラが45棟並んでいる。詳しくは後でレポートするが、島とはボートで行き来する完全独立型の水上ヴィラもあり、その中の1棟は、世界でもっとも大きく、もっとも有名な水上スイートだ。それぞれ、2階部分はオープンエアのテラスとなっている。
リゾートの造りもユニークだが、このリゾートのもうひとつの特徴は、徹底したネイチャーリゾートということ。客室を始めとする施設の建材は、可能な限り自然のものを使い、プラスチック製品は紙や布で隠したり、備え付けの歯ブラシまで木製だったり。オーガニックな野菜やくだものなどの畑もあってレストランでの食事に使われている。
島内には、「ギリ・ヴェシ」という海洋生物センターがある。海洋生物学者のエリーナさんは、オランダ人とタイ人のミックス。海の生き物についての無料の講義のほか、サンゴの植樹や、「オーシャン・パラダイス・ダイブセンター」のスタッフとともに、ゲストも参加して行うサンゴ礁のクリーニングなど、様々な活動をしている。
夕方は、ドルフィンクルーズへ。毎日参加しても飽きない楽しいアクティビティだ。この日は風が強かったので、「船は揺れるし、イルカに会えないかもしれない」という条件付きでの出航となった。
そんな予想はいい意味で裏切られて、この日はイルカのジャンプを何度も見ることができた。白波が立っているラフな水面で遊んでいるようで、船上では、イルカがジャンプする度に歓声が上がった。
イルカたちのジャンプが終わったところで、船はリゾート島に帰るために進路を変えた。すると、ボートクルーがオードブルと飲み物を配り始めた。ソフトドリンクもいいけれど、ここはスパークリングワインでイルカに乾杯しなくちゃ!
私がスパークリングワインをお願いすると、ソフトドリンクを飲んでいたフランス人カップルが、「僕たちにもスパークリングワインを!」と(笑)。 世界各地からやってきたゲストたちも興奮さめやらずにイルカ談議に花が咲く。リゾート島の桟橋に着く頃にはすっかり仲良くなっていたのもイルカたちのお陰さまなのだった。
2022.06.21(火)
文・撮影=たかせ藍沙