●「道後オンセナート2022」
温泉にゆっくり浸かって体を癒やし、アートで感性を磨いて心を解放。そんな楽しみが待つ芸術祭が、日本三古湯のひとつ、道後温泉で開催中の「道後オンセナート2022」です。
4年ぶりとなった今回の芸術祭では、国内外で活躍するアーティスト約30組の作品を展示。コンパクトにまとまった温泉街の半径500メートル以内に作品が配置されているので、歩いてまわりやすく、外湯めぐりしながらの気ままなアート鑑賞が叶います。
国指定の重要文化財でもある温泉施設・道後温泉本館の入浴と合わせて楽しみたいのが、愛媛県・宇和島を拠点に創作活動を行う、大竹伸朗の巨大インスタレーション「熱景/NETSU-KEI」。
保存修理工事中の道後温泉本館を囲う素屋根テント膜に、色紙を指でちぎって作った「ちぎり絵」の原画を高精細プリント。道後温泉のシンボル・白鷺、西日本最高峰の石鎚山などがエネルギッシュに表現され、そのスケールの大きさに圧倒されます。
同じく外湯の道後温泉別館 飛鳥乃湯泉の中庭「ハダカヒロバ」には、床一面に艶やかな花の写真を施した、写真家・映画監督の蜷川実花によるインスタレーションを設置。2種類のオリジナル提灯に明かりが灯り、中庭がライトアップされる夜も圧巻の美しさで、まるで異次元のお花畑に迷い込んだかのよう。温泉でゆるんだ心と身体がさらにほどけていきます。
ほかにも、道後商店街の入口「放生園」の足湯には、ペインター・TIDEの代表的なアイコン・CATが湯船からちょこんと顔を覗かせる「SPRING」が。手湯を備えた道後温泉 第4分湯場では、道後温泉本館や旅館などで使用したタオルを素材にした力石咲の「道後温泉系」を展開。多彩な温泉×アートにワクワクが続きます。
会期中は、ミュージシャンのSUPER BEAVERをはじめ、詩人、俳人、クリエイターなど15組が「いきるよろこび」をテーマに選んだ言葉を路地、駐車場、建物の外壁などに展示。温泉街を一冊の詩集に見立てた新しいプロジェクトにも注目して、浸かって、歩いて楽しむアートの休日を。
道後オンセナート2022
会場:愛媛県道後温泉地区
問い合わせ先:089-921-6464(未来へつなぐ道後まちづくり実行委員会事務局)
会期:~2023年2月26日(日)
開催時間:作品・施設により異なる
観覧料:無料
https://dogoonsenart.com/
2022.05.28(土)
文=中村美枝(JAM SESSION)