うちの子ベストショット②

「この笑顔で明日も頑張れます!」(尾形さん)

――今はコロナ禍なのでないかもしれないですが、家に人が遊びに来た時はどんな感じなんですか?

 めちゃくちゃ喜びます。うちに後輩が大勢、遊びに来る時もあったんですけど、そうなると俺には目もくれず、みんなによしよししてもらって……八方美人なんですよね。で、みんなが帰ると、膝の上に乗ってきて。

――あなたがいちばんだよ、とアピールされると(笑)。尾形さん、三九ちゃんに翻弄されてますね。

 本当にそうですよ。まぁ、そんなところもかわいいんですけどね。

――そのほか、やっていることはありますか?

 噛むことに対しては、ちゃんとしつけました。甘噛みはしょうがないんですけど、うぅー! って唸りながら噛もうとした時に、「三九ーーー! こらーーー!」って大きい声で注意して。だって、ほかの人を噛んだりしたらシャレにならないじゃないですか。そうやって注意したので、今も絶対に噛まないです。今もたまにうぅ~!とか唸ることがあるので、その時はほっぺをつかんで顔を近づけて注意します。

 それくらいで、おしっこがちゃんとできなかった時は、「頼むよ? ここだよ?」って何回も言い聞かせるだけで、怒ることはないですね。

うちの子ベストショット③

「よく一緒に昼寝してます!」(尾形さん)

――奥様や娘さんとは、どんな距離感ですか?

 嫁さんはちょっとナメられてるかもしれないですね。娘には三九から近づいていくことはほとんどないですし、よしよしされると嫌そうな顔をしてます(笑)。でも、娘が泣いてると真っ先に駆け寄って隣に座ってます。俺がいない時、女性3人でどんなことをしてるのか、ちょっと見てみたい気もしますね。

――尾形さんが思う、三九ちゃんのいちばん好きなところは?

 やっぱり「好き好き!」ってしてくるところですかねぇ。純粋に顔もめっちゃかわいいですし、ベタベタしてきて人間っぽいところもいいですし、そのままを受け入れてくれるところも居心地がいいっていうか。毎日、夜中でも待っていてくれるのも嬉しいですね。

仕事から帰ってきたら、まず1時間のスキンシップを「でないと俺の時計が…」

――嫉妬は、一緒に暮らした当初からあったんですか。

 いえ、子供ができてからですね。初めて赤ちゃんだった娘を見せた時はビビってましたし、戸惑ってました。娘はいま4歳なんですけど、もっと小さい頃は、娘が泣いてたら三九がいちばんに駆け寄ってペロペロしたりして。けど、娘ばかりを構っていると、ものすごく機嫌が悪くなるんです。

――娘さんが生まれてすぐの頃、寂しそうにしている三九ちゃんに気づいた尾形さんは、帰宅したらまず、三九ちゃんのところへ行くようにしたそうですね。

 あぁ、そうでしたね。今もそうなんですけど、まず三九に「ただいま」って声をかけてよしよしって撫でてから、子供のところへ行くようにしてます。そうじゃないとブチギレてくるんですよ、本当に!

 これ見てください。(と、左腕にはめていた腕時計を見せる)噛まれてるでしょ? 構わなかった日には絶対、こういうことをやるんです。例えば疲れて帰ってきて、撫でたり話しかけたりせずに寝ちゃうと、次の日にはめちゃくちゃにされてるんですよね。

――「帰ったよ~。よしよし」くらいではダメなんですか?

 ダメですね。まず、帰ってきてよしよしって撫でて。座って、ご飯を食べてる時は膝のところにいるから撫でて……。大体1時間くらい寄り添えば、大丈夫なんですけど。

――1時間!? 5分くらいのスキンシップを想像していました。

 5分じゃあ、全然ダメです。俺の持ち物はめちゃくちゃになりますね。

――今までありとあらゆるものを、めちゃくちゃにされてきたと。

 バッグやズボン、ベルト、Apple Watch、ヘッドホン、帽子……。全部、ガリガリと噛んでダメにしちゃうんです。ちゃんと手の届かないところに置いてるんですけど、ジャンプして取っちゃうんですよね。しかも、やるのは俺がいちばん大事にしてるものばかり。わかってやってるんですよ、あいつは。いちばん嫌がることをやってくる……いやぁ、本当に悪い女ですよ、三九は。

2022.05.27(金)
文=高本亜紀
撮影=末永裕樹
写真=尾形貴弘