必需品を揃えて山歩きをしてみよう
これから初めて山歩きを楽しむ人のために、まず最初に揃えるべき必需品を聞いた。
「靴、バックパック、防寒着、雨具、ファーストエイド、そしてできればライトを。あとは水と食べ物があれば大丈夫です」
それぞれ、順におすすめを教えてもらおう。まず、靴は前述したようにスニーカーでいいとのこと。では、バックパックは?
「泊まりじゃないのなら、小さなものを選んでください。大きいとあれこれ入るので、どうしても荷物が多くなってしまうんです。12リットルくらいの容量のもの。あとはテンションが上がるデザインを選んでもらえたらいいです」
おすすめとして見せてくれたのは「Okara」の小ぶりなバックパック。フレームなしなので、とにかく軽い。上部がロール仕様で荷物の量に合わせて調整でき、前面にメッシュのポケット付きで頻繁に出し入れするものにはぴったり。さらに、サイドにジッパーがついて荷物が出し入れしやすいのも特徴だ。
「防寒着は、手持ちの薄いダウンやフリースを。どんなに低山でも、気温差があるし急に寒くなることもあるので、きちんと持っていくようにしましょう。雨具は、通常だと上下セパレートが多いのですが、特にパンツを履くのは面倒ですよね。なので、被りタイプならさっと羽織れます。筋肉の多い太ももは覆えて、かつ、足さばきのしやすい丈を選んでください。これなら普段の雨の日も着られておすすめです」と見せてくれたのは「AXESQUIN」のレインウェア。200gと軽量なので、人気の商品だ。ジッパー部分が長めのプルオーバータイプで、脱ぎ着がしやすいのが特徴。
「上からかぶれるし、下からも脱げるのでとても優秀。ダブルスライドなので、蒸れたら胸元だけ下から開けることもできます」と土屋さん。バックパックの上から羽織りたい場合は、少しオーバーサイズを選ぶといいそう。
さらに、プラスするならと見せてくれたのが「EuroSCHIRM」の折りたたみ傘。ドイツの老舗傘メーカーによるもの。
「雨傘としてもいいですし、これは日傘も兼用できるので、これからの季節におすすめです。175gと軽いので、普段の持ち歩きにもいいと思います」
ファーストエイドは、常備薬や擦り傷用の軟膏など、自身の旅行に持っていくものを用意しよう。さらにあると便利だと教えてくれたのがライト。手のひらにおさまる小ささの「Black Diamond」のもの。
「帰り道に暗くなってしまうこともあるので、できればライトは持っていた方が安心です。スマホのライトはあくまでも予備と考えてください。これはストラップ付きなので首から下げたり頭につけたりすれば、両手が開けられて便利です。小さなボタン電池で動くタイプで、SOSのモールス信号もできるので、災害用にもいい」
そのほか、食べ物は好きなものを用意し、水は好きなものに入れれば良いと言う。「ただし、どんな山でも水は1リットルは必ず持っていくようにしてください。マイボトルの容量が足りないならペットボトルでもいいし、ペットボトルを持ちたくない場合は、折りたたみできる水筒がおすすめ」
気軽に山歩きや、近所の散策を楽しんでほしいと土屋さんは言う。 「荷物が軽ければ、身体が楽だし、まわりの自然を楽しめる余裕が生まれます。楽しめれば、また次に行こうと思えるし、やってみたいことも増えてくるので、そこからまた荷物を考えればいいと思います」
まずは、必要なものだけを持って気軽に。一歩踏み出せば自然が楽しくなり、これで十分だと思えればぐんと身軽になれる。いつもの暮らしも景色すらも違って見えてくるかもしれない。
Hiker’s Depot
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2022.04.21(木)
文=晴山香織
写真=釜谷洋史