唐の美女のモチーフがかわいらしい靴下

◆加彩貴婦1:1襪 450元

 「国立歴史博物館」に収蔵されている「加彩貴婦」は、唐の時代の女性をモチーフにした陶器。これは焼成した後に色付けをしており、鑑賞用ではなく、墳墓に埋葬するための文物だったと言われています。

 髪をお団子のようにまとめ、高く結い上げた女性。彼女は丸くてふっくらとした顔つきで、ふくよかな体形が特色。これが唐の時代の美しさの基準とされていました。

 「+10・テンモア」では、その特徴的な顔と裾が広がったブラウスと、ひだの入ったオレンジ色のスカートを幾何学的に表現。色は二色で、黄色×緑色、赤×ピンク色があります。

蓮の花が描かれたエレガントなソックス

◆荷1:1襪 450元

 20世紀初頭にパリで活躍した中国人の著名な画家・常玉。傑作として知られる「荷」では、西洋的な色彩に東洋的な書画のスタイルを融合し、鉢の中で咲く蓮の花を力強く描いています。

 この靴下には「+10・テンモア」の特色の一つでもある透明なナイロン生地を使用。明るく流れるようなラインで蓮の花を刺繍しています。

 許さんによれば、透明なナイロン生地を用いた靴下の場合、できあがりを検品すると、3割近くが不合格になってしまうとのこと。それほどまでに高い技術力を求められる凝った作りの靴下です。

 優雅な雰囲気で、ベースが紺色とベージュの二色があります。

2022.03.25(金)
文・撮影=片倉真理