オノマトペのイメージを表現した新シリーズ「イシンデンシン」

 「イシンデンシン」はお互いに言葉が通じなくても、オノマトペを使えば分かり合えるという実体験に基づいています。台湾語も日本語と同じく表現が豊かな言語であり、オノマトペも数多く存在します。

 今回は、お酒を飲んでふらふらする酩酊状態を示す台湾語の「ma² se¹ ma² se¹(マァセェマァセェ)」や日本語の「ベロンベロン」、雨が降る音を表す台湾語の「sa² sa²(サァサァ)」や日本語の「ザアザア」、キュウリやリンゴを食べた時のかじる音を表す台湾語の「khih⁸ khih⁸ khauh⁸ khauh⁸(キィキィカウカウッ)」、熱々のモノを食べるときの日本語の「ハフッハフッ」を取り上げています。

 「+10・テンモア」は日本語から、シミズダニヤスノブさんは台湾語からイメージを膨らませ、それぞれ靴下とテキスタイルを製作。モノづくりの仲間として、海を越えて切磋琢磨し合うすてきな関係が垣間見られます。

 ちなみに、「+10・テンモア」の靴下は、台湾中部の彰化県にある社頭という小さな町で製造しています。かつては靴下産業で名を馳せていた土地ですが、現在は昔ほどの勢いはなく、職人の数も減ってしまっています。

 しかし、そんな状況の中でも「+10・テンモア」は優秀な職人たちと組み、彼らと話し合いをしながら何度も何度も試作を繰り返し、完成させています。見た目だけでなく、細部までしっかりとした作りなのも「+10・テンモア」の魅力の一つです。
 
 靴下に対する情熱だけでなく、伝統産業へのリスペクトの心を強く持つ「+10・テンモア」。彼女たちが手がける靴下には一足一足に豊かなストーリーがあり、足元からエネルギーをもらえます。日本からもお取り寄せ可能なので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 なお、商品名の後ろにある数字は丈の長さを表しています。1:1は足裏と丈の部分が同じ比率であることを示しています。

2022.03.25(金)
文・撮影=片倉真理