味やパッケージにこだわった種類豊富な唐辛子食品

 台北市の西部、淡水河のほとりに位置する迪化街。ここは赤レンガ建築の家並みが続き、漢方薬材や乾物、香辛料などを扱う問屋街として古くから知られてきました。

 そんな街に新しく登場したのが、台南発の唐辛子ブランド「杜甲 A-Ma」のお店です。今年オープンしたばかりのニューフェイスですが、早くも話題のスポットになっています。

 創業者の李威辰さんは元々、キムチの製造販売を手がけていた人物。同時に、良質な自家製ラー油も製造していましたが、その際、大量の乾燥唐辛子が残ってしまうため、これを有効利用できないかと考えます。

 こうして唐辛子スナック「香酥脆椒」の開発に行きつきました。これは瞬く間にヒット商品となり、今では人気のおつまみとして定着しています。

 「香酥脆椒」の誕生から16年。李さんはさらなる挑戦として、ラー油をベースにした幅広い商品の開発を進めます。辛さや風味が異なる4種類のラー油や、食べるラー油、さらにはスパイス茶やインスタント麺まで、バラエティに富んだ商品を2年の歳月をかけて完成させました。

 そのほか、八味や八角、クミンなどの香辛料も手ごろなサイズで販売。これらも合わせると、商品点数は40点以上におよびます。そのラインナップの豊富さには驚かされるばかりです。

 何と言っても目を引くのは、インテリアやパッケージのセンスの良さです。古い家屋を用いた店内はレトロモダンな内装で、オリエンタルな雰囲気。ディスプレイも凝っており、細部まで手が込んでいます。各商品のパッケージも洗練されたデザインで、飾っておきたくなりす。

 唐辛子がメインの香辛料専門店というのは、アジアで初とのこと。店内には個性豊かなスパイスがずらりと並び、圧倒されます。唐辛子をはじめ、香辛料の奥深さに改めて気づかされることでしょう。

 次は「杜甲 A-Ma」で人気の8商品を取り上げてみましたので、台湾への往来が自由になった際のお土産リストに加えてみてください。

2021.10.14(木)
文・撮影=片倉真理