将来は海辺に近いテラス付きの家に

『八月の鯨』

年老いた姉妹の日常に憧れがたくさん

「この映画には、老後はこんな暮らしをしてみたいという憧れがたくさん詰まっています。素敵なのが、穏やかな空気に満たされた海が見える家。

 広々としたポーチテラスでロッキングチェアに揺られながらお茶を飲んでみたいし、テーブルに飾られているお花が、庭からとってきた素朴な小花というのにも憧れます。窓辺でそよそよとしているカーテンの近くで、朝ごはんを食べているシーンも印象的」

 “窓辺で朝ごはん”のひとコマなら、シチュエーションは違っても、真似できるかも。1日を気持ちよくスタートできそう。

●あらすじ●

8月になると入り江に鯨がやってくる小さな島の別荘で、毎年夏を過ごす老姉妹。病気で目が不自由になり、わがままでとげとげしい態度を取るようになった姉リビーと、姉の態度に心を痛めながらも、面倒を見続ける妹サラの、ささやかな夏の日の日常が淡々とつづられていく。

『八月の鯨』

監督:リンゼイ・アンダーソン
出演:リリアン・ギッシュ、ベティ・デイヴィスほか
©1988 Alive Films, Inc. and Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
DVD 1,572円、Blu-ray 5,170円
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

●教えてくれたのは……

大谷優依さん
インテリアスタイリスト

エディトリアルデザイナーを経て、インテリアスタイリストとして独立。雑誌、空間イメージのスタイリングのほか、雑貨、インテリアの紹介も行う。

2022.04.12(火)
Text=Mie Nakamura(Jam session)

CREA 2022年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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「CREA」2022年春号の特集は、「あたらしい暮らし 楽しい暮らし」。激動する時代の中“楽しい暮らしの正解”はなくて、きっとそれは百人百様。でも人生100年時代となり、キャリアがマルチステージ化していくと言われる世界を、自分らしく楽しむためには、自分の中に「種」を持っていたい。今すぐじゃなくても、ちょっと先の未来に芽が出るような、小さくても、強い種を――。