出張からの帰り道を全力で楽しむ男

――現在出演中の「#居酒屋新幹線」は、サラリーマン・高宮進の出張帰りのテイクアウトグルメを食す模様を楽しむドラマです。演じるにあたり、高宮のキャラクターをどう捉えていましたか?

 高宮は損保会社の監査という役回りなので、きっと職場では相当なストレスを抱えているはずだな、と思いました。中年のサラリーマンが、家にたどりついたら今度は父であり、夫である。

 そんな毎日の中での楽しみは、ひとりでいる出張からの帰り道のわずかな時間。高宮は、全力でその時間を楽しんでいるんですよね。地方出張に行っては、その帰りに必死に酒のアテや地酒を探したりして。

 ものすごくささやかな趣味とでもいいますか、その時間をどう充実させるか一生懸命な姿は、演じていても本当に楽しかったですね。

――食べるシーン、飲むシーンは本当においしそうです。工夫した点などはありますか?

 撮影中は、もうただただ楽しんでいました。撮影が始まる前、監督とは、実際新幹線の車内でひとりで飲み食いしているわけですから、あまり大きい動きになってもオーバーだし、抑えすぎてもちょっとつまらない感じになるので「絶妙なところでいければいいね」なんて話をしていたんです。

 だから、ちょこちょこ食べるというよりも、「もりもり食べるおじさんにしよう!」となって。結構な分量を一気にほおばるような感じがいいね、と。飲みっぷりも、たぶん見ていて気持ちがいい感じだとは思うんですよね。意識しました。

――実際、演じるにあたり、新幹線内で飲み食いしているおじさんをチェック……みたいなこともしましたか?

 もちろん、もちろんしました! 僕自身も、(仕事の)帰りで東京に戻る新幹線の中で「ちょっとした楽しみを見つけてみよう」と、その土地のお酒やおつまみを買ったりしましたね。……いつの間にか、高宮と同じようなことをやっていました(笑)。

――グルメ作品のあるあるで言えば、たくさん食べるために前日のごはんは抜きとか、太ってしまうとか、いろいろ悩みもあるようですが、眞島さん的にはいかがでしたか?

 いやあ、なかったですかね。撮影中、スタッフの方に「くれぐれも無理はなさらないでください」と言われたんですけど、意外ともりもり食べちゃって。体重に関しても、そんなに長い期間ではなかったので、「別にいいや、うまいし!」と思っていました(笑)。

 この作品に関係なく、適度な運動は普段していますけど、「たくさん食べるから、なんかやっておかなきゃ!」みたいなのは正直、何もなかったです。ただただ本当においしくいただきました。なんか……話を聞いていただいていて物足りないかもしれないですけど、何の苦労もなかったんです。「楽しかったな、うまかったな」という記憶だけです。

――シーズン2もどんとこい、みたいな?

 全然もちろん! 2があったら、ありがたいです!

2021.12.28(火)
文=赤山恭子
撮影=山元茂樹
ヘアメイク=佐伯憂香
スタイリスト=増井芳江