漫才協会加入、初単独ライブで得た気づき

――今年もなかなか客前でライブができる状況ではなかったですよね。ネタの反応をみるのは難しかったのでは?

渡辺 ネタをやる機会は本当に少なかったですね。

長谷川 通常のライブにはなかなか出られなくて、主にネタを披露できたのは地方での会館ライブでした。それと、漫才協会に入っているので浅草東洋館でやるぐらいでしたね。

――漫才協会への加入も今年のトピックですよね。ナイツさんのラジオに出演した際のやりとりがきっかけだと思いますが、もともと興味はあったんでしょうか?

長谷川 東洋館にはこれまでもゲストでよく呼ばれてはいたんですよ。漫才協会へのオファーは過去に何回かあったんですけど、その時は月に20〜30本はライブに出ていたので、漫才協会には未加入のままでした。もちろん興味はあったんですけど。

渡辺 今回の加入は半分ラジオでのノリというところもありました。でも結果よかったです。

長谷川 普段のライブのお客さんは決まった方が多いんですよ。でも、浅草には観光客の方もいるし、そういう意味ではいつもと違う反応が得られたりと、新たな発見がありますね。

――ネタ見せの機会が少ない中ではありますが、結成10年目にして初の単独ライブ「こんにちわ」も今年の10月に開催されましたよね。

長谷川 単独ライブと銘打つのは初めてだったんですけど、二人しか出演しないライブは千川のびーちぶ(Beach V)という、SMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)のお笑い部門の劇場でやっていました。それは毎回新ネタを5本やるライブで。ただ、それを単独ライブとは言っていなかった。ちゃんとした単独ライブとしては、今回が初めてです。

渡辺 その時のお客さんはせいぜい30~40人ぐらいでした。でも、今回初めて正式の単独ライブを開催できて、観に来てくれた方は400人弱。もう10倍ですよね。プラスアルファで配信でも多くの方に視聴していただけて、本当にありがたかったですね。

長谷川 大きくなったなと言う思いがありましたね。50歳にして、ようやくスタートが切れました。

渡辺 感慨深かったですね、コンビを組んで10年経ってやっとここまで来れたんだな……と。池袋HUMAXシネマズという映画館でやったんですけど。初めての単独ライブを映画館でやるんかいとも思いましたけど(笑)。

――会場はどうやって決められたんですか?

渡辺 単独ライブの前に、同じ映画館で『祝50歳 錦鯉長谷川まさのり生誕祭 バカの日』という、雅紀さんの50歳記念のイベントをやったんですよ。そこのもう少し大きい会場が抑えられるということで。そのご縁ですね。ありがたいです。

長谷川 本当にいろんなお客さんが来てくれてうれしかったですね。

2021.12.02(木)
文=綿貫大介
写真=佐藤亘